Living in the Flat World

「世界はフラットになっている」と考えれば、世の中の変化も少し違った見方ができるはず!その考え方のもと、ITを中心に日常生活から世界のニュースまで幅広い題材を取り上げるブログ。

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iPadでプレゼン!~プレゼンを”演台”から解放するために~

昨日のエントリでは、「日本で行われるプレゼンでは、いまだに”演台”に後ろに立って行われるのが普通だが、もう演台は使わないようにしたい」と書いた。今日のエントリは、実際に演台を使わないための方法をいくつか紹介したい。

ガー・レイノルズは、「プレゼンテーション zen」の中で次のように書いている。

書見台はスピーカーを権威ある指導者のように見せる効果がある。それゆえ、政治家はたいてい書見台の後ろに立ってスピーチをしたがる。自分を「大物リーダー」に見せることが目的ならば、書見台を使ったほうが適切かもしれない。

だが私が理解する限り、日本で行われるプレゼンテーションで演台(書見台)が使われるのは、別に「権威ある指導者のように見せる」ためではない。誤解を恐れず乱暴な言い方をするならば、もっとずっとつまらない理由からである。

私が考える、日本で演台が使われる理由は下記の3つ。
1) 演台無しでのプレゼンは、まだ一般的でなく、何となく気恥ずかしい
2) パワーポイントのスライドショーの”操作”をするため
3) パワーポイントのスライドショーの”画面”を確認するため

それぞれ「傾向と対策」を考えてみよう。

演台の理由その1) 演台無しでのプレゼンが一般的でなく、何となく気恥ずかしい

これは「理由」と言うよりは、「言い訳」にしかならない。昨日のエントリで紹介した下記のような本は日本でもそこそこ売れていて、スティーブ・ジョブズのようなプレゼンをすることへの関心は高いはずだ。
ジョブズ&zen

さらには昨日も書いたように、欧米流の演台無しプレゼンの数々を紹介する「スーパープレゼンテーション」と番組がNHKテレビで放映されるようになったほどだ。

ジョブズやTEDのようなプレゼンをするには、それなりに習得の難しい技術があり、誰でも簡単に真似ができるわけではない。だが、「演台を無くす」と言うのは、ある意味もっとも簡単な”真似”の第一歩だろう。もちろん、ここでの”真似”は、決して悪い意味ではない。良いものは真似をするべきだ。そして、演台無しのプレゼンは、真似をすべき価値は十分にあると思う。



演台の理由その2) パワーポイントのスライドショーの”操作”をするため

これは、ちょっとしたお金をかけるだけで、一番簡単に解決可能な課題だ。パワーポイントスライドショーのリモコン操作をする機器はたくさん売られている。

例えばこれ。
コクヨのプレゼン用リモコン

Amazonでの購入はこちら。

「プレゼンテーション zen」では、下記のように書かれている。

コンピュータ用のリモコンは比較的安価であり、絶対的な必需品と言える。問答無用で手にいれるべきだ。現在スライド操作をリモコンで行っていないのであれば、リモコンを取り入れることによって、格段の違いが出てくる。

何をもって「高価 or 安価」と言うかは人によって判断が分かれるが、この種のリモコンは実際は安いものでも6,000円以上はするので、誰もが無条件に「安い」とは思わないかもしれない。正直言うと、私も買おうと思って値段を調べた挙句に買うのを躊躇した。

実はリモコンに関しては、もっとずっと安くすます「ワザ」がある。
iPhoneをPC操作用のリモコンに変えてしまう、iPhoneアプリがあるのだ。

複数あるようだが、私が購入して実際に使ってみたのがこれ。
PowerPointリモート
「PowerPoint用スライドショー・リモート」

アプリは450円で買えるので、iPhoneさえ持っていれば、「専用ハードウェアリモコン」よりも相当に安くつく。欠点は、「PCとの接続の面倒さ」だろうか。無線LANの設定や、PC側のアプリのインストール&設定など、それなりに難しいハードルを越えないと動作してくれない。加えて、iPhoneが画面ロックされると操作できなくなるので、時間による画面ロックを解除しておくことも必須だ。


さらに端折った方法として、「普通のワイヤレスマウスをリモコンとして使う」と言うテもある。これなら既に所有している人も多いはずだし、新規に購入するにしても、安いものなら1,000円以下で買えてしまうほど値段が下がってきている。
ワイヤレスマウス

欠点は、スライドショーを「進める」操作は出来ても、「戻す」などの他の操作がが出来ないこと。ただし、「戻す」操作などは滅多に使わないし、もしも必要になった場合はPCに戻れば良いので、この欠点は、それほど致命的なものではなさそうだ。実を言うと、私は上述のiPhoneアプリを購入してしばらく使ったが、最近ではもっぱら「普通のワイヤレスマウス」を、プレゼン時のリモコンとして使用していた。最後に残る欠点としては、「あまりカッコよくない」ことだろうか。


さらにもうひとつ、パワーポイントをリモート操作をするための方法を紹介したいのだが、これはもうひとつの課題(スライドショーの画面確認)の解決にもなるので、それと併せて紹介したい。



演台の理由その3) パワーポイントのスライドショーの”画面”を確認するため

これは演台無しプレゼンを実施するための、一番切実な「課題」だろう。スティーブ・ジョブズのプレゼンやTEDのプレゼンでは、聴衆が見るメインのスクリーンとは別に、「プレゼンターが見るためのモニタスクリーン」が用意されている。これは会場の制約もあるし、用意するにもそれなりの費用がかかるので、いつもこのような「専用モニタ」のある環境でプレゼンができるわけではない。

プレゼンター用のモニタ無しで「演台無しプレゼン」をやるのは無謀だろう。聴衆が見るのと同じモニタを後ろを向いて都度確認していては、「壁を取り除く」効果が全く無いどころか、逆効果になりかねない。


ひとつの解決案は、ノートPCを床の上か、せいぜい小型の椅子の上に置いて、それをプレゼンター用のモニタ画面とすることだ。

図に描くと、こんな感じ。
低い位置にノートPCを置く図

まずはこれが、最も現実的かつ汎用的な解だろう。「プレゼンテーション zen」の作者のガー・レイノルズの講演を実際に見たことがあるが、彼はまさにこの方法を使っていた。

この方法の課題のひとつは、プレゼン中の小さい字が読みにくいことだろうか。ただしこれは「課題」ではあっても「欠点」ではない。そもそもプレゼンのスライドショーに、小さな字を使うこと自体が間違いなのだ。この方法を使ってプレゼンターが読めない文字は、聴衆からも読めない。どんな場所からも読めるように文字を大きくする(そのために文字数そのものを少なくする)ことは、良いプレゼンのための重要な要素だ。

少し話はズレるが、「プロジェクタで読めないほど小さい文字」は、「演台ありプレゼン」と共に、日本で行われるプレゼンテーションではかなり多く見かける。「そんな場合は、手元の紙の資料を読め」と言うことらしいのだが、これも完全に間違った考え方だ。これがなぜ間違っているかを書き始めるとまた長くなるので、別の機会で。

ノートPCを低い位置に置くことのもうひとつの課題(こちらは欠点になりうる)は、プレゼンの途中にデモなどの他の操作をしたい場合に、非常にやりにくく、かつその姿が美しくないことだろうか。多くの場合は、スライドショーだけで済んでしまうので、これはそれほど欠点にはならないかもしれない。

実は今回、その僅かな欠点さえも解決する新しい方法を考えた!

それがこれ(イメージ)。
iPadを使ったプレゼン

iPadでスライドショーを動作させて、それをそのままプロジェクタに写そうと言うもの。
これなら、モニタとして画面の確認も出来るし、スライドショーの操作はもちろん、それ以外の操作もひととおりこなすことができる。実現するためには、いくつか課題もあるが、その課題もほぼ解決できたので、こうしてブログで報告できるようになった。


最初の課題は、iPadの画面をプロジェクタに写すこと。
そのこと自体は、Apple純正のVGAケーブルを使えば解決できる。
iPadとVGAケーブル

だが、アナログケーブルが延びたタブレットを持ちながらのプレゼンは、移動範囲に制約も多いし、なによりも美しくない。この課題は、多少のお金をかければ解決可能だ。

解決策はこれ。
Apple TV

現在1万円以下で売られているApple TVは、無線LAN経由でiPadの画面をそのまま出力する「AirPlay」と言う機能を備えている。
下記のような構成にすれば、ワイヤレスでiPadを持ちながらのプレゼンは可能だ。
AppleTVによるプレゼン構成

iPadでのスライドショー再生に関しては、iPad用のプレゼンアプリであるところの「Keynote」を使っても良いし、Citrix Receiverを使えばPower Pointも利用できる。


2番目の課題は、Apple TVの出力に(多くのプロジェクタで使われる)VGA出力が無く、HDMI出力しか無いこと。最近発売されているプロジェクタならHDMI入力を備えているので問題無いが、古いプロジェクタの多くはHDMI入力を備えていない。

実はこの課題は完全に解決できたとは言えなくて依然として試行錯誤中だ。HDMIからVGAへの変換アダプタもあるらしいのだが、そこそこの値段もするしうまく変換できるかどうかもアヤしそうなのでまだ試していない。(読者の皆さんで、変換アダプタの情報があれば是非お寄せください)


そんなこんなで、実際のプレゼンテーションの場(100人ほどの人たちに聞いていただけた)で実施した様子がこれ。
実際のプレゼンテーションの様子


実際にプレゼンの場で使って明らかになった課題が2つある(後述)が、まあうまく行ったのではないかと思っている。さらに課題を乗り越えて、このやり方を標準化してみたい。


解決すべき課題は次のA)B)2つ。
A) 舞台の造りが”演台無し”を前提にしていなかった
B) iPadを持ち続けることに不便さを感じた


iPadプレゼンの課題A) 舞台の造りが”演台無し”を前提にしていなかった
写真を見ていただければわかるように、この時の舞台の造りがそもそも演台とデモ操作用の机を使うことを前提としており、演台から離れてもデモ用の長机で腰から下が隠れるようになってしまった。長机からさらに離れてスクリーンの下に移動することも、全く出来ないわけではなかったが、「照明が当たらない」とのことで止められてしまった。

正しく「演台無しプレゼン」を行うためには、舞台設計からそれを前提として取り組む必要があるようだ。


iPadプレゼンの課題B) iPadを持ち続けることに不便さを感じた
専用リモコンや(リモコンとして動作する)iPhoneよりは、iPadは格段に重くて大きかった。手の平だけでは「掴んで持つ」ことが出来ないので、「手のひらに載せる」か「腕全体で包み込む」しかない。いずれの持ち方でも、長時間のプレゼンをやりながらはラクではなかった。また、自由な移動や「身ぶり手ぶり」も制限されてしまう。

その後いろいろ調べてみたら、こんなものが売られているのが判った。
iPadハンドヘルドケース
「Rev 360 for iPad」

6,600円らしいのだが、これは是非購入して試してみたい。



この通り、課題はいずれも解決可能なはずなので、次回にプレゼンする機会があれば早速試してみたい。単にTED風の「演台無しプレゼン」を実現するためだけでなく、自分自身の個性を出すための要素にもなるはずなので。



プレゼンを”演台”から解放しよう!

NHK教育テレビで「スーパープレゼンテーション」と言う番組が、この4月からスタートしている。この番組では、  様々な分野の人物がプレゼンテーションを行う「TED Conference」と言う講演会から、選りすぐりの講演(プレゼンテーション)を紹介してくれる。過去のプレゼンテーションは、こちらのTEDのサイトなどで見ることが出来る。それでもテレビの影響力はいまだに大きいので、こうしてNHKの番組で紹介してくれるのは、これまでTEDを知らなかった多くの日本人にもTEDを知ってもらえると言うことで、とても意義深いことだと思う。

私がTEDの存在を知ったのは、2011年の1月のことで、会社の社内トレーニングでTEDの中のひとつの記録映像を見せられたことがきっかけだ。その時のことは、こちらのエントリにまとめてある。


さてここからが今日の本題だが、NHKの番組で紹介されたTEDのプレゼンテーションを見ていて、改めて気づいたことがある。TEDのプレゼンテーションには、(日本で普通に行われるプレゼンテーションとは明らかに異なる)共通の特徴があるのだ。それは、「面白い」とか「うまい」とか言った判断の分かれる曖昧な特徴ではなく、誰でも必ず納得できる明々白々な特徴だ。それは・・・

誰一人「演台」を使っていない!
ということだ。
完全にプレゼンターの「全身」が、聴衆から見えるような形でプレゼンテーションが行われている。

例えばこれ。
TED Conferenceの様子


TEDのプレゼンテーションは、私が見た限りほとんどこのスタイルで行われている。
このような形で「全身を見せて」プレゼンテーションを行うことのメリットを考えるのが、今日のエントリの主題。


実は、あの有名人のプレゼンを扱ったこちらの本にも、「彼」が演台を使わない理由が書かれている。
「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」
スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン
Amazonでの購入はこちら

スティーブ・ジョブズのプレゼンは、おそらくTEDのプレゼンよりも多くの人に見られているので、「ジョブズも演台を使わない」ことは、容易に思い出していただけるのではないか。ジョブズが演台を使わない理由を、本の中から引用してみよう。
ジョブズはめったに腕組みをしないし、演台の後ろに立つこともない。姿勢が常に「開いて」いるのだ。姿勢が開いているというのは、自分と聴衆の間に何もないことを意味する。
デモのときでさえ、ジョブズはコンピューターの隣に座り、聴衆が直接見えるように、また、聴衆から自分が直接見えるようにする。コンピュータを操作するときも終わったらすぐに聴衆のほうを向き、今、何をしたのかを説明する。アイコンタクトがない時間が長く続くことはまずない。1984年にマッキントッシュを発表したときの映像を見ればわかるが、昔はジョブズも演台の後ろに立っていた。その後まもなく演台を使わなくなって今にいたる。(例外は2005年にスタンフォード大学の卒業式で話をしたときくらいだ)。

ここで紹介されている「開いた姿勢」とは、自らの存在感を際立たせるために使われるジョブズ特有の技術のひとつである。~存在感を高めるジョブズのプレゼン技術には、他に「アイコンタクト」と「身ぶり手ぶり」があり、「開いた姿勢」と併せて「ジョブズ流の体を使った3つプレゼン技術」になるのだそうだ~ 

 演台と言う「ひとつの壁」を取り払って、全身を聴衆に見せ、さらに全身を使って表現すれば、聴衆はプレゼンターを身近にに感じられるようになり、聴衆の注意はそれだけプレゼンターに向けられる。もしもジョブズが「演台の後ろ」にずっと立ってプレゼンをしていることを想像して欲しい。それだけでジョブズのプレゼンの魅力がかなり失われてしまうのではないか。


さらには、こちらの本でも演台を使わないことが薦められている。
「プレゼンテーション zen」
プレゼンテーションZEN
Amazonでの購入はこちら

本の中の記述を引用してみよう。
(この本では、「書見台」と記述されているが、文脈から「演台=書見台」であると考えてよいだろう)
私は書見台があまり好きではない。書見台にもそれなりの長所があるし、それを使わざるを得ない場合もある。しかしほとんどの場合、書見台の後ろに立ってスピーチするのは、壁の後ろに立ってスピーチをするようなものである。 
書見台はスピーカーを権威ある指導者のように見せる効果がある。それゆえ、政治家はたいてい書見台の後ろに立ってスピーチをしたがる。自分を「大物リーダー」に見せることが目的ならば、書見台を使ったほうが適切かもしれない。しかし、大方は会議のプレゼンターや、講演者、営業マンである私たちにとって、壁の後ろに立つのは最も避けたいことである。また、書見台がステージの脇に設定されているケースも多い。その場合、プレゼンターが壁の後ろにいることに加えて、スライドが主役として注目を集めることになり、本人の存在が完全に脇役に成り下がってしまう。プレゼンターとスクリーンの両方を(人々の注目が集まる)中央に持ってくることも可能なはずだ。

別に「大物リーダー」に見せようとしているわけではないが、日本で行われる「プレゼンテーション」では、ほとんどの場合「演台」が使われる。
下記の写真は、昨年(2011年)のCitrixのイベントでの私自身の姿。
普通のプレゼン

この写真は、「悪いプレゼン」例だ!今日のエントリの一番上の、TEDの写真と比べて欲しい。プレゼンターと聴衆の間に「壁」があり、全身による「身ぶり手ぶり」も伝わりにくい。実は私の前には、Power Pointを操作するためのパソコンが置かれていて、それでデモなども出来たのだが、そのパソコンさえも「壁」で見えなくなっている。これでは、デモをやったとしても、どんな操作か聴衆には見えない。


これは何とかしたい!
日本でも「演台なしプレゼン」をもっと普及できないものか?


実は「演台なしプレゼン」を、より簡単に実施するためのアイデアを最近思いついた。このアイデアは、「そもそもなぜ日本ではプレゼンで演台が使われるのか?」と言う理由(事情?)を考慮したうえで、その事情からも解放されるように考えたつもりだ。

そしてこのアイデアを、実際のプレゼンの場(100人ほどの人たちに聞いていただけた)で既に試してみた。その「アイデア」の中身と、実施してみての顛末については、次回のエントリで説明したい。お楽しみに。


Windows でも 音声入力!

ひと月ほど前のエントリで、新しいiPadの音声入力が「かなり使える」ことを紹介した。

さらに前のエントリでは、Citrix Receiver for iPadを使えば、iPad上でWindowsが非常に高速かつ快適に動作することを説明した。

今日のエントリでは、過去に紹介した「iPadの音声入力」「iPadでWindows」の2つが、組み合わせて使えることを紹介する。つまり、WordやExcelと言った典型的なWindowsアプリケーションでも、iPadの音声入力機能を使って、キーボードを使わずに効率的な文字入力が出来るのだ。

まずは下記動画を(音を出したうえで)見て欲しい。


Windows7上で動くMicrosoft Word への文字入力が、音声だけで行われている!

タブレットを使う場合の(パソコンに比べた)不便さのひとつは文字入力のやりくさであるが、iPadの音声入力は、その不便さを相当に解消してくれる。単にタブレットの文字入力の不便さを解消してくれるだけでなく、Windowsアプリケーションと組み合わせて、様々な応用があるのではないだろうか。



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さて一方で、Citrix Receiver for iPadを使ったこのWindowsへの音声入力は、実際に動かすためにいくつか「注意点」が必要になる。以降では、その注意事項を説明したい。

注意1) Windows側の日本語変換はオフにする
仮想Windows側では、日本語変換を無効にして、半角英数字を入力できる状態にしておくこと。
fep
今回紹介した仮想Windowsへの「音声入力」の場合、日本語変換は完全にiPad側の機能を使うため、Windows側日本語変換機能を有効にすると、2つの日本語変換がコンフリクトしてしまい、うまく動いてくれない。


注意2) iPad側のキーボードは、日本語入力の状態にする
これは直接的にはCitrixは関係なく、純粋にiPadの音声入力機能の制限による。
下記のように、キーボードが英語モードだと音声は「英語」と解釈されてしまい、うまく日本語での音声入力が出来ない。
English

正しく日本語で音声入力させるためには、キーボードを日本語入力モードにしておく必要がある。下記図の青い楕円の中のような変換候補表示フィールドが現れていればOK。
日本語



注意3) ソフトウェアキーボード左上の「T」ボタンを押す
これが最重要!Citrix Receiver for iPad利用時は、ソフトウェアキーボード左上に、「A」と「T」の2つのボタンが現れるが、音声入力実行時前に必ず「T」のボタンを押す必要がある。
T

「T」ボタンを押せば、その右隣に入力文字を一時的に格納する欄が出てくるが、これで初めてCitrix Receiver for iPadでの音声入力が可能になる。

ひと通り音声入力が完了したら、入力文字の格納欄の右に「送信」ボタンを押せば、仮想Windows側に文字列が送られる。
送信


なお、このiPad上での音声入力からWindows側への文字列送信の一連の操作は、冒頭で紹介した動画でも確認していただけると思う。
 

新しいiPad(第3世代iPad)と、Citrix環境をお持ちのかたは、 是非お試しあれ。かなり楽しめる!!

 

音声入力! これこそ新しいiPadに買い換える一番の理由

最初に結論を書く。
「新しい iPad」(以降では新iPad と呼ぶ)では、テキストの音声入力が出来る。
新iPad音声入力

この機能の出来は凄く良くて、かなり使える。
加えて、(Appleから大っぴらに広報されていないが)iPad 2 以前の古いiPad ではこの機能は使えない。もし今旧来型iPad を所有している人が新iPad に買い替えるべきかどうかの決め手は、Retinaディスプレイでも高解像度カメラでもなく、この音声入力機能なのではないかと思う。


まず、どれだけ「使い物になるか?」について。
今日のエントリの導入部のパラグラフ(上に書いた部分)を、新iPad の音声入力を使って、実際に入力したものが下記の青字のテキスト。上部の「お手本」と比べて欲しい。
(明らかな間違いのみ赤字にした)
-----------------
最初に結論を書く
新しいiPad以降ではiPadと呼ぶ(文字抜け)テキストの音声入力ができる
この機能の出来はすごく良くてかなり使える
加えてアップルからおおっぴらに広報されていないがiPad to以前の古いiPadで(文字抜け)この機能は使えない
もし今旧来型iPadを所有している人が新iPadに買い替えるべきかどうかの決め手は
ベティーナディスプレーでも高解像度カメラでもなくこの音声入力機能なのではないかと思う
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私がキーボードから手動で行った作業は、入力を区切ること(ひとつの改行までが、一度の音声入力で区切った範囲だ)と、区切った後にテキストに改行を入れたことのみ。漢字変換なども、全て自動でやってこの結果である。

・明らかな間違いは5箇所。
・句読点や鍵カッコ、カッコは入力できない
・「Apple」にしてほしかったが「アップル」となった(「iPad」はカタカナにはならなかった)
・音声入力してから、文字が表示されるまで、「ひと呼吸」待たされる

人によって「使える or 使えない」の評価は分かれるかもしれないが、私はこのレベルなら「素晴らしく使える」と思う。

PCのハードウェアキーボードに比べると、iPad のソフトウェアキーボードはまだまだ使いにい。入力のスピードはかなり落ちる。一方で、iPad を使えば使うほど、テキスト入力の必要性は高くなり、ストレスも増してしまう。ソフトウェアキーボードの使いにくさは、やはりiPad がPCを超えられない大きな理由のひとつになっている。

ところが、音声入力を使えば、文字入力のスピードは、ソフトウェアキーボードよりも相当に早くなる。間違いや、句読点やカッコも、補助的にキーボードで手動入力すればよい。

なお、私はこの音声入力機能の「使い方」について、全くと言って良いほど調査や学習をせずに使っている。「何も学習しなくても十分に使えるくらいに簡単」なことと、「ひょっとしたら、コツを身に付けることで認識や漢字変換の精度が上がって、もっと良くなるかもしれない」ことは、強調しておきたい。


2012年3月21日追記:
その後いろいろ調べた結果、下記の句読点・カッコ・改行なども、次のように入力できることが分かった。
、:とうてん
。:まる
(:かっこ
):かっことじ
「:かぎかっこ
」:かぎかっことじ
改行:かいぎょう

ただ、これらの使い方に関するApple公式の情報は、どうしても見つけることが出来なかった。
ご存知のかたがいれば、是非教えてください。 


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以下は、この音声入力機能に関して、少し視点を変えた話。

残念ながら、この「新しいiPad の音声入力機能」に関してのAppleのメッセージは凄く分かりにくいと思う。もっと強くかつ分かりやすくアピールすれば、「旧型 iPad からの買い換え」がずっと促進すると思うのだが・・・

まあ、AppleにはAppleの思慮、もしくは(やむをえない)事情もあるかもしれないので、ここはAppleに変わって、この私が新iPad の音声入力の説明を引き受けることにしましょう。
特に、分かりくい点や誤解されている点を整理してみたい。

・「Siri」と「音声入力」は別物!
「音声入力」とは、口で話した言葉をテキスト情報に変換してくれる機能のこと。あくまでキーボード入力の代替でしかない。
一方で「Siri」は、音声入力を利用して、「電話をかけろ」とか「○○について調べろ(検索しろ)」のような、口頭での命令でデバイスを操作する仕組みのこと。

この違いが良く分からない状態で、例えばこちらのサイトのような「新しいiPad では、音声アシスタントSiri が使えない」と言う情報が、新iPad発表後にネット上に広がった。この時点では、多くの日本人がSiriも音声入力も使ったことが無かったので、理解のしようがなかったのだ。
少なくとも当時の私は、「単純な音声入力=Siri」だと思っていたので、「Siriが使えない=音声入力が出来ない」と解釈してしまった。このように解釈した人たち、あるいはいまだにそのように思っている人は少なからずいるのではないか。実際に新iPad を手にとって触るまで、私もこの誤解は解けていなかったと思う。


・「音声入力」はiPad 2以前の旧型iPad では使えない。新iPadだけで使える
このこと自体は上でも書いたが、明確に書かれている記述は少ない。本家Appleのサイトの記述も、非常に分かりにくい。

まず、AppleのWebサイトの新iPadを紹介するメインページでは、「Retinaディスプレイ」「iSightカメラ」「iLifeとiWork」「超高速ワイヤレス」の4つが説明されていて、その中に「音声入力」の説明はない。

Apple Web Site


その下の階層にある新iPadの「特徴」を説明するページで、ようやく音声入力に関する記述を見ることが出来るが、このページこそ「分かり難さ」を増徴させる要因になってしまっていると思う。
新iPad特徴


上の図のように、「音声入力」は「iOS」や「iCloud」と同じグループで説明されている。ところが、「iOS」や「iCloud」は、新iPadのみで使える機能ではなく、旧来のiPadでももちろん使えるものだ。であれば、同様に記述されている「音声入力」も「旧来iPadで使える」と誤解されても仕方が無いのではないか。

特に、過去のiPhone/iPadのことをある程度知っている人ほど次のように考えるだろう。
「これまで、新しいデバイスの発表と相前後して、『新しいバージョンのiOS』もリリースされた。『新しいデバイスの新機能』と謳われて紹介された機能の多くが、実際は『新しいiOSの新機能』であり、iOSのバージョンアップさえ行えば、旧型デバイスでも新機能を使えた。画面解像度やカメラは、ハードウェアに依存するから旧型iPadでは使えないのは当然として、音声入力はソフトウェアの機能なので、iOSのバージョンアップで、旧型iPad でも使えるだろう。」

上記の青字のような考え方は、音声入力機能に限って言えば間違いである!!

Appleさん、新しいiPadの音声入力に対してはかなり誤解されているはずです。
それを正すようなメッセージを出されるべきだと思いますよ。
新しいiPad への買い換えを躊躇している旧型iPad ユーザの中の相当数が、
音声入力欲しさに買い換えるのではないでしょうか。

新しいiPad vs. iPad 2 カメラ機能比較

前回のエントリで予告したとおり、「新しいiPad 」(以降では「新iPad」と呼ぶ)とiPad 2 との比較についてまとめる。私は現在、iPad 2と新iPadの2つを所有しているが、こちらのエントリで書いたとおり、古いiPad 2 はもうすぐ名古屋にいる義理の両親の元に行くので、並べた比較が出来るのはあと1週間だ。

今日のエントリの主題はカメラ機能について。Retinaディスプレイと並んで新iPad のもうひとつのウリはどうだろう?

まず最初に残念だったことを。
iPhone 4Sに装備されているフラッシュ機能が無い!
iPhone 4Sのフラッシュは暗闇の撮影で重宝していたのだが、なぜか新iPadでは搭載を見送られたようだ。期待していただけに少々残念。


単純にカメラを起動して2つのiPad を並べると、まず最初に分かるのが新iPadのほうが視野角が広いこと。下記の図は、同じ条件でそれぞれの最大視野角で撮影した画像の比較。
【左がiPad 2で、右が新iPad。】
iPadPhotos1
もちろん、いずれの写真も同じ距離から撮影している。

それぞれの液晶ディスプレイに表示されるカメラ画像を見ると、画像の美しさやきめ細かさは、新iPad が明らかに優れている。ただし、そのような比較をした場合、ディスプレイの差も含んでしまうので、純粋にカメラ機能の比較とは言えない。あくまで撮影された画像データの比較で行うべきだ。

そこで、iPad 2 と 新 iPad 、それぞれで同じ被写体、同じ条件で撮影した画像データをEvernoteを使ってWindows PCに転送し、そのWindows PC上で画像ファイルを比較した。

まず、それぞれの画像データのファイルサイズおよび画素数が、まるで異なる。
iPad 2 カメラで撮影した画像:228KB ~720×960 (約69万)画素
新iPad カメラで撮影した画像:1.18MB ~1936×2592 (約500万)画素
いわゆる画素数で言うなら、10倍近い差になる!

それぞれ同じ画素数分だけ切り取って比較すると、下記の図のようになる。
【左がiPad 2で、右が新iPad。】
iPadPhotos2
ただしこの「画素数の違い」が、本来求めるべき「写真の総合的な良さ」にどれだけ結びつくのか、専門外の私には論評できない。こちらこちら、さらにはこちらなどでも書かれている通り、「画素数が多いからと言って、画質がよくなるとは限らない」のは、ある程度カメラを知っている人なら常識の範囲のことだからだ。

もっと色々条件を変えて、明るい場所などで撮影したうえで比較する必要があるだろう。確実に言えるのは、むやみに写真を撮り続けて新iPad内のみに保存すると、iPadのディスクスペースを圧迫しかねないことだろうか。


カメラはこれくらいにして、次回は「あまり知られていないが重要な新機能」だと思われる、「音声認識」の機能についても紹介するつもりだ。


「”新しい” iPad 」 買ってみた

「iPhone 5」が登場しなかったのと同様に、「iPad 3」も出てこなかった。今回のエントリは、それにまつわる”ゆるい”話を。

■まずはとにかく注文してみた
「iPad 3」が出てこようが出てこなかろうが、スゴい機能があろうが無かろうが、とにかく「新機種が出たらすぐに買う」と事前に決めていたので、昨日(3月8日)の時点で注文してしまった。3月16日には発送されてくるとのこと。
新iPad注文画面
上の図で分かるとおり、今回は店頭には一切出向かず、iPhoneアプリの「Apple Store」を使って、オンラインで注文した。

私のように、事前に「これを買う」と決めておければ、iPhoneアプリを使ってのオンライン購入は非常に便利。クレジットカードの情報などは、「App Store (Apple Storeと間違えないでネ)」用に既に登録されているので、改めて入力の必要無し。少々面倒だったのは、配送先の住所を入力することだけか。

実は私も実際に注文するまで知らなかったのだが、Apple Store での購入の場合は、無償で刻印が入れられれるとのこと。これについても何を入れるのか若干悩んだが、上記図にあるような刻印にした。「愛社精神の発露」も少しあるのだが、「自分の名前を入れると、再販がしにくい」「妻の名前や子供の名前を入れるガラでもない」と言うことで、消去法で残ったと言うのが事実。


■なぜこうも慌てて注文したのか?
私のことをよく知る人なら、まるで衝動買いのような今回の私の行動に、きっと驚いていると思う。私は(少なくともCitrix社員の中では)「新しいもの嫌い」で有名で、新しいモノに飛びついて買うことなど「絶対に」と言えるほどしない。

そんな私が、なぜ今回ばかりは新製品に飛びついたのか?

「新製品が欲しいから」が直接の理由ではない。現在私はiPad 2 を所有しているが、現在の機能・性能に十分に満足しており、しばらくこれを使い続けても良いと思っていた。ちなみに、過去のエントリで紹介した、こちらこちらの動画デモは、その個人所有の iPad 2 を使って撮影している。

実は「妻の両親に iPad をプレゼントしたいから」と言うのが一番の理由。

私自身の父親は、何年も前からそれなりにパソコンを使いこなして楽しんでいる。ところが残念ながら義理の両親は、数年前にパソコンを購入はしたものの使いこなすには至らず、パソコンは実質「置き物」になってしまっている。そんな義理の両親にも、iPad であればそれなりに楽しめるのだろうと言うのが今回の狙い。iPad なら本当に誰でもできるゲームが充実しているし、何よりも遠くにいる孫たちとのFaceTimeでのテレビ電話は、これぞ「キラーアプリ」と言えるものだ。

当初は、義理の両親のために新しいものを購入することを考えていたのだが、それはそれで問題もあることに気がついた。先方がかえって恐縮してしまい、高価な「お返し」買われてしまうことはほぼ間違いないのだ。もちろん、そんな「お返し」に負担をかけることは本位ではない。そこで思いついたのが、「新しいのを買って古いものがいらなくなった。捨てるわけにもいかないので、どうぞ使ってください」と渡す方法だ。これなら、先方を過度に恐縮させることはないだろう。

あとは時期の問題。小学校の春休みを利用して、妻と子供たちは名古屋の実家に帰るので、そのタイミングで持ち帰ってもらう為には、早く注文しないといけないのだ。

おかげさまで、3月16日には「新しいiPad」が届く。春休みまでに、「古いiPad (?)」を綺麗な状態に戻すには、十分な時間があるだろう。

XenApp 6.5 Mobility Pack (2) ~iPad上のWindowsはこう変わる~

前回のエントリでは、Citrix Receiverのような「Windows環境をiPad上で動作させる」仕組みだと、「タブレット特有のタッチ操作に特化したGUIが一般的には使えない」ことを説明した上で、最後に「タッチ操作に最適化するようなGUIの改善の方法もある」ことを動画で示した。(下のイメージをクリックすると、YouTubeの動画ページにジャンプ)
YouTubeでのXenApp Moblity Pack
その方法とは、「XenApp 6.5 Mobility Pack」と名づけられたCitrix XenApp 6.5の追加モジュールを導入することなのだが、ちょうど前回のエントリと相前後して Citrixから公式発表でも「XenApp 6.5 Mobility Pack」 が紹介されている。こちら(ITMedia)こちら(ZDNet)のページなどでも、Citrixの2012年の事業戦略の一環として紹介されている。

今回のエントリでは、この「XneApp 6.5 Mobility Pack」について、もう少し詳しく見てみたい。

■何ができるか?
まずはWindowsのデスクトップ環境の見た目が変わり、スタートメニューなどがタッチ操作に適したメニューに変更される。

下図が、Citrix Receiver for iOS を使って、iPad上に普通にWindowsの仮想デスクトップを表示させたときのイメージ。
Citrix ReceiverによるiPad上のWindows
画面上部中央の黒い逆台形(Citrix Receiverの機能を設定するためのボタン)が、仮想デスクトップであることを示しているが、その他は通常のWindows画面と変わらない。しかしこれをそのままiPadで使うと、スタートメニューの深い階層にあるアプリケーションを起動する際にメニューの幅が狭くなり、タッチ操作に若干不便を感じる。

「XenApp Mobility Pack」を適用した、仮想デスクトップ環境では、Windowsが下図のように変更される。
XenApp Mobility Pack適用後
スタートメニューが改変されていることが、すぐにお分かりいただけると思う。このスタートメニューは、メニューの深い階層に行ってもメニュー間の幅が狭くならずに一定を幅を持つように出来ており、よりタッチ操作に適したスタートメニューとなっている。


次に、元々はマウス操作に最適化されたWindowsアプリケーションのプルダウンメニューが、タッチ操作に最適化されたプルダウンで操作できるようになる。

下図が、典型的なWindowsアプリケーションのプルダウンメニューの例。(実際のWebページは、こちらで見ることが出来る)  
通常のWindowsプルダウンメニュー
このままiPad上で操作すると、各メニュー項目間の幅が狭すぎて、タッチ操作だと意図しない隣のメニューを選んでしまうことがよくある。

「XenApp 6.5 Mobility Pack」を適用して、iPadデバイスからWindows仮想環境を使うと、下図のようになる。
XenApp Mobility Packで改変されたプルダウンメニュー
元々のWindowsのプルダウン(左側)にオーバーレイ(上から重ねて表示すること)する形で、別のプルダウンメニュー(右側)が表示されるようになる。左側のオリジナルのメニューと比べれば分かるように、オーバレイされたメニューは、項目間に十分な幅があり、間違わずに素早くタッチ操作ができるようになっている。

さらには、アプリケーションのテキスト入力フィールドや、メモ帳やMS Wordなどのテキスト入力アプリケーションなどを起動した場合は、iPadのソフトウェアキーボードが自動的にポップアップするようになる。
自動的に出てくるキーボード
「XenApp 6.5 Mobility Pack」を使わない場合、iPad上で表示される仮想Windows環境は、単に画面を写しているだけであり、テキスト入力状態か否かを判別できないために、自動キーボードポップアップが出来ずにいた。「XenApp 6.5 Mobility Pack」を適用することではじめて、この自動キーボードポップアップ機能が、仮想Windows環境でも使えるようになる。


■Mobility Packを使うために何が必要か?
まずはCitirix XenApp 6.5 を用意していただく必要がある。XenApp 6.5は、2012年2月時点でのXenApp最新バージョンである。残念ながら、それ以前のバージョンのXenApp では、Mobility Packの利用は出来ない。

XenApp 6.5が稼動可能な状態に出来たら、いよいよ次は「XenApp 6.5 Mobility Pack」をインストールする。Citrix XenApp 6.5 のライセンスをお持ちのお客様であれば、「MyCitrix」サイトから無償でダウンロード可能だ。なお、XenApp 6.5 を利用可能なCitrix ライセンスをお持ちのお客様であれば、Mobility Pack のための追加料金は一切必要ない。

また、「ライセンス購入前に動きを確認してみたい。」と言う場合は、Citrixの販売パートナー様にお問い合わせいただきたい。Citrixでは、90日間無償で製品を評価可能な「評価版」を提供しているが、2012年2月現在では、販売パートナー様を経由しての提供のみ行っている。

Mobility Packをインストールすると、XenAppのポリシー設定に、下記のような項目が追加される。
XenApp Policy
右下に表示されるHelpの説明を参照しながら必要な設定をすれば、iOSまたはAndroidでアイスからの接続時にのみ、これらの設定が有効になる。

Mobility Packのインストール方法、インストール後の設定方法に関する詳細は、こちらの CitrixeDocs (オンラインマニュアル)を参照いただきたい。残念ながら、2012年2月時点では、英語の記述しかないが、手順自体はそれほど難しいものではない。

Mobility Packのインストール、および必要な設定さえ行えば、あとはiPhone/iPad/Androidのような、モバイルデバイスからXenApp 6.5に接続するだけで、動画でご覧いただいたような操作が実現できる。なお、通常のPCからの接続の場合は、Mobility Packの機能は使えない。


■まとめ
以前から書いていることの繰り返しになるが、iPadは使い勝手やコストの面で素晴らしいデバイスであり、このデバイスを企業内での特定業務利用に使いたい要求は必ずあると思う。ところが、「その上で動かすアプリケーションをどうするか?」と言うことが、担当者の悩みのタネとなる。iPadネイティブアプリ開発は、そのひとつの解決策ではあるが、課題もあることはこちらのエントリで述べた。

私からの提案は、Citrix Receiverを使って、既存のWindowsアプリをiPadに転用したり、もしくは新規開発するにしてもWindowsベースで作ってiPadに転用すること。パフォーマンスは十分なものが得られることはこちらの動画で示したし、転用アプリのGUIの面でもネイティブアプリに遜色ないことが、今回のエントリで分かっていただけたのではないかと思う。



XenApp 6.5 Mobility Pack (1) ~Windows環境のタブレットへの最適化~

今月に入ってからの一連エントリで、iPadでWindowsアプリケーションが使えること、それは特に「業務アプリ」と呼ばれる企業内アプリケーションの活用に適していることを説明してきた。

特に前回のエントリでは、iOSネイティブアプリを新規開発するよりも、Windowsベースで開発したほうが、アプリケーションのライフサイクル管理の点で利点があることを説明した。

しかしながら、iPadのようなタブレット端末を使うことを大前提とした場合、ネイティブアプリケーションを開発したほうが良い点も、もちろんある。そのひとつは、「タッチ操作に適したGUI」だ。WindowsアプリのGUIがタッチ操作に十分に最適化されておらず、タブレットでそのまま使うには、使いにくい面が多々ある。特にiPhone/iPadのネイティブアプリケーションは、タッチ操作に対して素晴らしく適合したGUIを持っており、その差は大きい。

そのことを具体的な例を挙げて見てみよう。

下記のイメージは、Citrixのダウンロードページの一つであるが、ページ上に「プルダウンメニュー」あるいは「ドロップダウンメニュー」と呼ばれるメニュー選択のGUIが複数ある。(画像クリックで実際のページにジャンプ)
プルダウンのあるWebページ


これらプルダウンメニューは、Windows上で動作するWebブラウザでは下図のように表示される。
Windowsのプルダウン


このメニューの表示は、マウスでの操作を前提に作られており、マウスで使う分には全く問題は無い。しかしこの表示のままでタッチ操作を行うと、少々不便を感じる。メニュー間の幅が狭すぎて選択が正確に行い難いのだ。この表示は、特定のWebブラウザに依存しているわけではなく、IEでもFirefoxでもChromeでも、Windows上で動くWebブラウザなら概ね同じように表示されるし、Windowsに限らずLinuxでもMacintoshでも大きくは変わらない。 

ところが、全く同じWebページのプルダウンメニューが、iPad上のSafariブラウザだと下記のように表示される!
iPadのプルダウン


さらには、iPhone上のSafariブラウザだと下記の通り。
iPhoneプルダウンメニュー


いずれもメニュー間の幅がうまく調整されていて、タッチ操作による選択が実にやりやすい。特にiPhoneの場合は、画面のサイズやiPhoneを操作するときの指の使い方まで良く考えられたGUIで、本当に本当にうまく作られていると感心する。

残念ながら、私がこれまでのエントリで紹介してきた方法(Citrix Receiverを使ってWindowsアプリをiPad上で動かすやり方)では、これらiPhone/iPadが持つ素晴らしくタッチ操作に適合したプルダウンメニューは、(基本的には)使えない。あくまでマウス操作を前提とした、幅の狭いプルダウンメニューを使うことが基本なのだ。


でもここからが本題!!

上記で思わせぶりに(基本的には)と書いたが、「基本」から良い方向に外れることもできるのだ。Windowsアプリでも、iOS特有のタッチ操作に適したプルダウンメニューを使うことはできる!!

とにかくまずは、下記動画を見てほしい。




 
このエントリのタイトルでもある、「XenApp 6.5 Mobility Pack」と言うものを使っているのだが、詳しい説明は次回のエントリにて。 


iPadで業務アプリ ~ネイティブアプリの開発についての考察(下)~

前回のエントリでは、企業内の特定業務利用を前提とした iPadネイティブアプリ開発の良さげな特徴を述べた。今日のエントリでは、その課題と解決策について書いてみようと思う。

【実際には大きな課題も残るiPadネイティブアプリ開発】

しかし実際に企業の「業務アプリ」を、iPadネイティブアプリケーションとして開発、そして維持・運営するには大きな難題もある。その難題とは、「Visual Basic」と「塩漬け」と言う、おそらく多くの企業内業務アプリケーションに付随する、2つのキーワードのことだ。

課題1:iPadアプリはVB(Visual Basic)で開発できない
「何を当たり前のことを!」と多くの人は思うだろう。私もそう思っていた。しかし、当Blogに「iPad VB」もしくは「iPad Visual Basic」と言うキーワード検索で訪れる人の多さを目の当たりにして、改めてこのプログラミング言語の普及の度合いと、そのニーズの多さに驚いた。
Visual Basic入門

「プログラマ」と呼ばれる人々の中には、超人的な能力を持つスーパープログラマもいれば、学校を出たての初心者プログラマもいて、そのレベルの差は極端に大きい。その中で、いわゆる「業務アプリ」を作る人々の大多数は、どちらかと言うと「底辺」に位置しており、その人々の「数の力」で業務アプリは支えられている。そしてそのようなプログラマ達にとって、慣れ親しんだVisual BasicやWindowsの世界から抜け出て未知の世界に踏み出ることは、相当に勇気のいることなのだ。もちろん全ての業務アプリプログラマがそうだと言えず、積極的にiPadネイティブアプリ開発に乗り出すプログラムもいるにはいるだろう。しかし、圧倒的多数派のプログラマにとっては、言語もAPIも文化もまるで異なるApple iOS SDKの世界に踏み出すのは簡単なことではない。仮に勇気を出して踏み出したとしても、その世界で今以上に仕事になるかどうかは、誰も担保してくれないのだ。間違いなく言えることは、企業がiPadネイティブアプリを開発しようと思った際に、それが出来るプログラマを安い単価で調達するのは、依然として難しいと言うことだ。

課題2:iPadの世界では「アプリの塩漬け」はできない
「塩漬け」なんて、IT(情報技術)の世界とは縁の無さそうな言葉に聞こえるかもしれないが、企業ITの世界では頻繁に使われる「俗語」である。
塩漬け

ITの世界での「塩漬け」とは何か?
それは、一度作って(とりあえず)動作したソフトウェアやシステムを、全く改変を加えることなくしばらくの期間(短くて4年以上)使い続けることを言う。中でも「全く改変を加えない」と言うところが重要だ。例えば、動き始めた当初に使っていたOSがWindows XPだった場合、Vistaや7を使うためには「ソフトウェアの改変」が必要になるので、ずっとずっとWindows XPを使い続けることになる。それどころか、Windows OSの「Service Pack」なんて代物も、適用するとOSの動作が変わってアプリの「改変」が必要になりかねないので、SPの適用もせずに使い続けることになる。

実際に業務アプリの世界では、この「塩漬け」が実によく行われている。「ソフトウェアのメンテナンスコストを抑える」と言う点では、それなりに合理的な判断だからだ。

一般的にソフトウェアを開発し利用するうえでは、「新しく作るときのコスト」よりも、「メンテナンスのコスト」のほうが高くつく場合が多い。ここで「メンテナンス」とは、実際に使い続けることで見つかるソフトウェアの障害(バグ)を、ひとつひとつ修正していく作業を指す。ソフトウェア使い始めて最初は問題が無さそうに見えても、しばらく使い続けて初めて問題が顕在化することはよくある話だ。特に何らかの「新しいことをやる」場合に、新たな問題が見つかることが多い。上述した「OSの変更」や「OSのService Pack」の適用もそのひとつだ。

不特定多数の場面で使われる「パッケージソフトウェア」であれば、この種のメンテナンスは避けて通れない。しかし特定の企業内だけでしか使われないソフトウェアであれば、とにかく同じものを同じように使い続けることによって、新たな障害が顕在化することを防ぎ、結果としてメンテナンスコストを抑制することは十分可能だ。

いまだに企業ITの世界では、「Windows XPを使いたい」と言うニーズが極めて大きいことは、過去のこのエントリでも書いたし、そのエントリは当Blogの人気エントリのひとつになっている。これも「システムの塩漬け」をしたいがために古いOSを使い続けたいのである。

ところがだ!
Windowsの世界では出来た「塩漬け」も、Apple iOS(iPadやiPhoneのOS)の世界では出来ないと思ったほうが良い。

ご存知の通り、iOSは比較的頻繁にアップデートを行うし、そのアップデートによってかなり大きな「仕様変更」も行われる。これはまさに「塩漬け」を阻害する要因になる。

であれば、「iOSのアップデートそのものをやらなければ良い」と思えるかもしれない。旧機種を何年も使い続けられるのであればその通りだが、ハードウェアの故障や追加調達などで新たなデバイスを調達したい場合は、残念ながらそう言うわけにはいかない。運用を始めて1年もすれば、ハードウェアの仕様もOSの仕様も大きく変わったデバイスしか手に入らないかもしれないのだ。

iPadネイティブアプリの業務利用で、「塩漬け」が通用するのは下記の2つの条件を両方とも満たす場合だけだろう。
1) 将来の利用デバイスの「追加」は絶対に無いと断言できる
2) デバイスが故障した場合の「バックアップ用デバイス」を当初から余分に購入しておく

1)はともかく、2)を実施するのはかなり非現実的だ。iPadのハードウェア的な寿命がどれくらいかは未知数だし、またどれくらいの割合で故障するのかも、誰も分からない。どれくらいの台数をバックアップ用として揃えておけば良いのか決めようがないのだ。

結論としては、業務アプリ用のプラットフォームにiPadを使い、ネイティブアプリケーションの開発を選択した場合は、ハードウェアやOSのアップデートに合わせて、業務アプリのメンテナンスを続けるしかないのだ!!こちらのサイトにも、業務アプリをiPadネイティブで開発する際のリスクとして、アップデートのリスクが述べられているが、まさにその通りだと思う。 



【「塩漬け」がしたいのであれば】
結局のところはこちらのエントリで紹介した方法に戻ってくる。業務アプリは「塩漬け」の効くWindowsベースで開発し、端末デバイスとしてだけiPadを利用すればよいのだ。下のデモのように。 




 

iPadで業務アプリ ~ネイティブアプリの開発についての考察(上)~

前々回のエントリでは、Citrix Receiverを使ってWindowsアプリケーションを、iPadで動かす方法について紹介した。このエントリを公開してから2週間近くが経つが、おかげさまで赤丸急上昇の人気エントリになり、かなり多くの人に読んでいただいている。

他の多くのBlogと同様に当Blogでも「アクセス解析」を行っているのだが、これによってどのような検索によって当Blogに来ていただいているのかが把握できている。それによると、「iPad 業務アプリ」や「iPad VB」、「iPad Visual Basic」といった検索キーワードでBlogを訪れる人が前々回のエントリ公開後に激増している。私の想像以上に「iPadの業務利用」の関心は高いようだ。

今回のエントリでは、Citrix Receiverの利用はひとまず片隅に置いておき、ネイティブのiPadアプリを開発して、それを業務アプリとして使うことに関して考察してみたい。


【一見すると魅力的なiPadネイティブの業務アプリ開発】
まず最初に、今まで私が間違って認識していて、今回このエントリを書くために色々調べて初めて分かったことを紹介したい。おそらく以前の私と同じように間違って認識されている人も少なからず居るのではと思う。それは・・・
「iPhone/iPad 用のアプリは、別にApp Storeで公開することが必須ではなく、社内の特定業務用途で利用する目的で、限定された人にのみアプリを配布することは可能だ」
と言うことだ。

こちらのサイトにそのことが書かれているのだが、本家Appleによって「iOS Developer Enterprise Program」というプログラムが用意されていて、これによって「社内特定業務用アプリ」の開発・配布が可能になる。プログラムの加入には、年間24,800円の参加費が必要になるのだが、本気になって業務アプリを開発するつもりの企業にとっては格安の価格と言えるだろう。

iPadで「社内に限定した特定業務アプリの配布も可能」と分かれば、次は実際のiPad用のアプリ開発がどの程度のものかと言う議論になる。これに関しては、既にアマチュアプログラマーの作ったiPhone/iPad用のアプリがApp Store上に溢れていることからも分かるように、アプリ開発は十分に現実的なことだと言える。それが「簡単」か「難しい」かの判断は人によるだろうが、入門から実践のための情報は、Webや書籍などに溢れかえっている。全くの初心者には、こちらのページから読むのが良いだろう。書籍も、例えばこちらなどが評判が良さそうだし、他にも初心者向けから上級者向けまで相当に出揃っている。
基礎からのiOS SDK

色々調べて感じたのは、「Appleが、アプリ開発者を物凄く大事にしている」と言うことだ。iPhone/iPadアプリの開発には、まずMacintoshパソコンが必須なのだが、それを入手して必要な登録さえ行えば、開発ツール類の入手や必要な技術情報の入手はほとんど無料で出来るし、作ったアプリを販売するための手助けさえもしてくれるのだ。
iPhone SDK
話を業務アプリでの利用に戻すと、こちらこちらの記事で、実際にiPadアプリネイティブアプリを開発して、特定業務用途で運用している事例を紹介してくれている。特に前者の三菱重工業の事例で紹介されたアプリは、ネイティブアプリによるiPadの利用がまさにぴったりのケースだと思える。工場の生産ラインで使われるだけに極めてシンプル(単純)なインタフェースのアプリだと言うことが写真から分かるが、これくらいならネイティブアプリの開発にもそれほどのコストはかからないだろう。また、工場の生産現場では、汎用パソコンによるキーボード操作よりも、タッチパネル操作のほうが適していることも容易に想像できる。


・・・と、ひととおりiPadのネイティブアプリケーション開発の良さげな特徴を述べたうえで、次回のエントリでは、その課題と解決方法について述べたいと思う。<続く>


このBlogについて
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