普段私が売り歩いている製品は、「デスクトップ仮想化」あるいは「アプリケーション仮想化」などと分類されているものだ。ただ残念ながらこれら製品は、まだ一般の人たちには馴染みは薄い。それがどんなもので、どこで使われて、どんな役に立つのか、一般の人(企業ITに関わる以外の人)に説明するのは結構難しい。例えば、私の妻、両親、仕事外の友人などは、私が勤めている「シトリックス」と言う会社が、いったいどんな製品を作っている会社なのか、おそらく分かっていない。当初説明を試みたが、あまりにも分かってくれないので、そのうち私も諦めてしまった。

しかし、そんな説明に苦労した時の「救世主」になりうる材料を発見した!!

こちらのNHKのサイトにある、「クローズアップ現代」のダイジェスト動画を是非ご覧になっていただきたい。重要なポイントは、2分20秒から始まる、リコージャパンさんのテレワーク(後述)に関するドキュメンタリーのうち、3分30秒くらいからの一連の説明。是非注目を!!
クローズアップ現代
 

番組中では、「シンクライアント端末」と呼んで説明しているが、サーバーも含めたシステムとしては、これはまさに「デスクトップ仮想化」の説明に他ならない。

それにしても、番組では「シンクライアント端末」を題材に、「どんなもの」で「どこで使われ」て「どんな役に立つ」のかが本当に誰にでも分かりやすく説明されている。さすがNHKさん、難しいことを誰にでも分かりやすく説明することに関しては、プロ中のプロなのだろう。私自身も、普段から分かりやすい説明を心がけているつもりだが、これには負けた。NHKさん、本当に恐れ入りました。

なお、ダイジェスト動画に加えてこちらのリンクには、2012年3月8日に放送された約30分の番組の全ての内容がテキスト台本として公開されている。いや、NHKさん、これ本当に素晴らしいです!!


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さて、同じNHKの番組ダイジェスト動画を題材にしつつも、テーマを変えた話をしたい。

元々このときの番組のタイトルは、「仕事は会社の外で ~広がるテレワーク~」と言うものだった。「テレワーク」と言う言葉自体も、まだ誰でもが知っている用語とは言えないと思うので改めて説明するが、自宅や外出先など、「会社の外で仕事をすること」を「テレワーク」と呼んでいる。

私の勤めるシトリックス・システムズ・ジャパン(株)では、事業としてテレワークの利用を促進するソフトウェア製品を製造・販売している一方で、働く社員自身も制度的にテレワークの利用が奨励されている。

私自身、昨年の震災後の交通が麻痺して余震の心配も拭えぬ中、このテレワークの制度のおかげで本当に助けられた。過去のエントリにて、そのことを詳しく紹介している。

また会社としても、こちらこちらのように「震災後、シトリックスの在宅勤務を支えた2つの制度」とのタイトルで運用の実態を公開し、これからテレワークを導入しようとしている企業に参考にしていただけるようにしている。(下図は、Citrix社員の実際の在宅勤務のイメージ)
在宅勤務
 

これらCitrixの事例に加えて、冒頭で紹介したNHK「クローズアップ現代」は、日本企業がテレワークを推進するうえでの、強力な推進材料になったと思う。

番組で述べられていたテレワークの利点は明快だ!!
・営業マンの訪問件数は以前の1.5倍まで増えた(生産性向上)
・時間を有効に使えるため早めに帰宅する日が増えた(社員満足度向上)
・節電効果
・万が一端末を紛失しても情報漏えいの心配は無い(セキュリティリスク低減)

さらには、被災地の復興にさえもテレワークは役に立つ!
人手不足の首都圏の企業の仕事を、職を求める被災地の人たちにも担ってもらえるし、逆に震災で被害を受けた企業の再建に、必要な人材を首都圏からも確保しやすくなる。


以下は、私からの切実なお願い。
日本企業の経営層の皆さん、もっと「テレワーク/在宅勤務」を推進できるよう、(ITインフラなどのハード面は後回しにしでも良いので)就業規則などの制度面の見直しを是非すすめてください。
上記したように、テレワークの利点は明快なのですが、多くの日本企業では、就業規則や、そもそも経営層を含めた社員の意識の持ち方と言ったソフト面が、テレワーク推進にあたってのもっとも大きな障害になっているのです。

もちろん在宅勤務を実際に行うためにはITインフラの充実も欠かせないでしょう。しかし、技術的な問題は既に克服されていると言ってよいです。課題があるとしたら予算の確保くらいですが、「生産性1.5倍アップ」で、費用は簡単に回収できます。是非もう一度、NHKさんのWeb動画を、じっくりとご覧になってみてください。