Living in the Flat World

「世界はフラットになっている」と考えれば、世の中の変化も少し違った見方ができるはず!その考え方のもと、ITを中心に日常生活から世界のニュースまで幅広い題材を取り上げるブログ。

Apple製品

Windows でも 音声入力!

ひと月ほど前のエントリで、新しいiPadの音声入力が「かなり使える」ことを紹介した。

さらに前のエントリでは、Citrix Receiver for iPadを使えば、iPad上でWindowsが非常に高速かつ快適に動作することを説明した。

今日のエントリでは、過去に紹介した「iPadの音声入力」「iPadでWindows」の2つが、組み合わせて使えることを紹介する。つまり、WordやExcelと言った典型的なWindowsアプリケーションでも、iPadの音声入力機能を使って、キーボードを使わずに効率的な文字入力が出来るのだ。

まずは下記動画を(音を出したうえで)見て欲しい。


Windows7上で動くMicrosoft Word への文字入力が、音声だけで行われている!

タブレットを使う場合の(パソコンに比べた)不便さのひとつは文字入力のやりくさであるが、iPadの音声入力は、その不便さを相当に解消してくれる。単にタブレットの文字入力の不便さを解消してくれるだけでなく、Windowsアプリケーションと組み合わせて、様々な応用があるのではないだろうか。



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さて一方で、Citrix Receiver for iPadを使ったこのWindowsへの音声入力は、実際に動かすためにいくつか「注意点」が必要になる。以降では、その注意事項を説明したい。

注意1) Windows側の日本語変換はオフにする
仮想Windows側では、日本語変換を無効にして、半角英数字を入力できる状態にしておくこと。
fep
今回紹介した仮想Windowsへの「音声入力」の場合、日本語変換は完全にiPad側の機能を使うため、Windows側日本語変換機能を有効にすると、2つの日本語変換がコンフリクトしてしまい、うまく動いてくれない。


注意2) iPad側のキーボードは、日本語入力の状態にする
これは直接的にはCitrixは関係なく、純粋にiPadの音声入力機能の制限による。
下記のように、キーボードが英語モードだと音声は「英語」と解釈されてしまい、うまく日本語での音声入力が出来ない。
English

正しく日本語で音声入力させるためには、キーボードを日本語入力モードにしておく必要がある。下記図の青い楕円の中のような変換候補表示フィールドが現れていればOK。
日本語



注意3) ソフトウェアキーボード左上の「T」ボタンを押す
これが最重要!Citrix Receiver for iPad利用時は、ソフトウェアキーボード左上に、「A」と「T」の2つのボタンが現れるが、音声入力実行時前に必ず「T」のボタンを押す必要がある。
T

「T」ボタンを押せば、その右隣に入力文字を一時的に格納する欄が出てくるが、これで初めてCitrix Receiver for iPadでの音声入力が可能になる。

ひと通り音声入力が完了したら、入力文字の格納欄の右に「送信」ボタンを押せば、仮想Windows側に文字列が送られる。
送信


なお、このiPad上での音声入力からWindows側への文字列送信の一連の操作は、冒頭で紹介した動画でも確認していただけると思う。
 

新しいiPad(第3世代iPad)と、Citrix環境をお持ちのかたは、 是非お試しあれ。かなり楽しめる!!

 

音声入力! これこそ新しいiPadに買い換える一番の理由

最初に結論を書く。
「新しい iPad」(以降では新iPad と呼ぶ)では、テキストの音声入力が出来る。
新iPad音声入力

この機能の出来は凄く良くて、かなり使える。
加えて、(Appleから大っぴらに広報されていないが)iPad 2 以前の古いiPad ではこの機能は使えない。もし今旧来型iPad を所有している人が新iPad に買い替えるべきかどうかの決め手は、Retinaディスプレイでも高解像度カメラでもなく、この音声入力機能なのではないかと思う。


まず、どれだけ「使い物になるか?」について。
今日のエントリの導入部のパラグラフ(上に書いた部分)を、新iPad の音声入力を使って、実際に入力したものが下記の青字のテキスト。上部の「お手本」と比べて欲しい。
(明らかな間違いのみ赤字にした)
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最初に結論を書く
新しいiPad以降ではiPadと呼ぶ(文字抜け)テキストの音声入力ができる
この機能の出来はすごく良くてかなり使える
加えてアップルからおおっぴらに広報されていないがiPad to以前の古いiPadで(文字抜け)この機能は使えない
もし今旧来型iPadを所有している人が新iPadに買い替えるべきかどうかの決め手は
ベティーナディスプレーでも高解像度カメラでもなくこの音声入力機能なのではないかと思う
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私がキーボードから手動で行った作業は、入力を区切ること(ひとつの改行までが、一度の音声入力で区切った範囲だ)と、区切った後にテキストに改行を入れたことのみ。漢字変換なども、全て自動でやってこの結果である。

・明らかな間違いは5箇所。
・句読点や鍵カッコ、カッコは入力できない
・「Apple」にしてほしかったが「アップル」となった(「iPad」はカタカナにはならなかった)
・音声入力してから、文字が表示されるまで、「ひと呼吸」待たされる

人によって「使える or 使えない」の評価は分かれるかもしれないが、私はこのレベルなら「素晴らしく使える」と思う。

PCのハードウェアキーボードに比べると、iPad のソフトウェアキーボードはまだまだ使いにい。入力のスピードはかなり落ちる。一方で、iPad を使えば使うほど、テキスト入力の必要性は高くなり、ストレスも増してしまう。ソフトウェアキーボードの使いにくさは、やはりiPad がPCを超えられない大きな理由のひとつになっている。

ところが、音声入力を使えば、文字入力のスピードは、ソフトウェアキーボードよりも相当に早くなる。間違いや、句読点やカッコも、補助的にキーボードで手動入力すればよい。

なお、私はこの音声入力機能の「使い方」について、全くと言って良いほど調査や学習をせずに使っている。「何も学習しなくても十分に使えるくらいに簡単」なことと、「ひょっとしたら、コツを身に付けることで認識や漢字変換の精度が上がって、もっと良くなるかもしれない」ことは、強調しておきたい。


2012年3月21日追記:
その後いろいろ調べた結果、下記の句読点・カッコ・改行なども、次のように入力できることが分かった。
、:とうてん
。:まる
(:かっこ
):かっことじ
「:かぎかっこ
」:かぎかっことじ
改行:かいぎょう

ただ、これらの使い方に関するApple公式の情報は、どうしても見つけることが出来なかった。
ご存知のかたがいれば、是非教えてください。 


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以下は、この音声入力機能に関して、少し視点を変えた話。

残念ながら、この「新しいiPad の音声入力機能」に関してのAppleのメッセージは凄く分かりにくいと思う。もっと強くかつ分かりやすくアピールすれば、「旧型 iPad からの買い換え」がずっと促進すると思うのだが・・・

まあ、AppleにはAppleの思慮、もしくは(やむをえない)事情もあるかもしれないので、ここはAppleに変わって、この私が新iPad の音声入力の説明を引き受けることにしましょう。
特に、分かりくい点や誤解されている点を整理してみたい。

・「Siri」と「音声入力」は別物!
「音声入力」とは、口で話した言葉をテキスト情報に変換してくれる機能のこと。あくまでキーボード入力の代替でしかない。
一方で「Siri」は、音声入力を利用して、「電話をかけろ」とか「○○について調べろ(検索しろ)」のような、口頭での命令でデバイスを操作する仕組みのこと。

この違いが良く分からない状態で、例えばこちらのサイトのような「新しいiPad では、音声アシスタントSiri が使えない」と言う情報が、新iPad発表後にネット上に広がった。この時点では、多くの日本人がSiriも音声入力も使ったことが無かったので、理解のしようがなかったのだ。
少なくとも当時の私は、「単純な音声入力=Siri」だと思っていたので、「Siriが使えない=音声入力が出来ない」と解釈してしまった。このように解釈した人たち、あるいはいまだにそのように思っている人は少なからずいるのではないか。実際に新iPad を手にとって触るまで、私もこの誤解は解けていなかったと思う。


・「音声入力」はiPad 2以前の旧型iPad では使えない。新iPadだけで使える
このこと自体は上でも書いたが、明確に書かれている記述は少ない。本家Appleのサイトの記述も、非常に分かりにくい。

まず、AppleのWebサイトの新iPadを紹介するメインページでは、「Retinaディスプレイ」「iSightカメラ」「iLifeとiWork」「超高速ワイヤレス」の4つが説明されていて、その中に「音声入力」の説明はない。

Apple Web Site


その下の階層にある新iPadの「特徴」を説明するページで、ようやく音声入力に関する記述を見ることが出来るが、このページこそ「分かり難さ」を増徴させる要因になってしまっていると思う。
新iPad特徴


上の図のように、「音声入力」は「iOS」や「iCloud」と同じグループで説明されている。ところが、「iOS」や「iCloud」は、新iPadのみで使える機能ではなく、旧来のiPadでももちろん使えるものだ。であれば、同様に記述されている「音声入力」も「旧来iPadで使える」と誤解されても仕方が無いのではないか。

特に、過去のiPhone/iPadのことをある程度知っている人ほど次のように考えるだろう。
「これまで、新しいデバイスの発表と相前後して、『新しいバージョンのiOS』もリリースされた。『新しいデバイスの新機能』と謳われて紹介された機能の多くが、実際は『新しいiOSの新機能』であり、iOSのバージョンアップさえ行えば、旧型デバイスでも新機能を使えた。画面解像度やカメラは、ハードウェアに依存するから旧型iPadでは使えないのは当然として、音声入力はソフトウェアの機能なので、iOSのバージョンアップで、旧型iPad でも使えるだろう。」

上記の青字のような考え方は、音声入力機能に限って言えば間違いである!!

Appleさん、新しいiPadの音声入力に対してはかなり誤解されているはずです。
それを正すようなメッセージを出されるべきだと思いますよ。
新しいiPad への買い換えを躊躇している旧型iPad ユーザの中の相当数が、
音声入力欲しさに買い換えるのではないでしょうか。

新しいiPad vs. iPad 2 カメラ機能比較

前回のエントリで予告したとおり、「新しいiPad 」(以降では「新iPad」と呼ぶ)とiPad 2 との比較についてまとめる。私は現在、iPad 2と新iPadの2つを所有しているが、こちらのエントリで書いたとおり、古いiPad 2 はもうすぐ名古屋にいる義理の両親の元に行くので、並べた比較が出来るのはあと1週間だ。

今日のエントリの主題はカメラ機能について。Retinaディスプレイと並んで新iPad のもうひとつのウリはどうだろう?

まず最初に残念だったことを。
iPhone 4Sに装備されているフラッシュ機能が無い!
iPhone 4Sのフラッシュは暗闇の撮影で重宝していたのだが、なぜか新iPadでは搭載を見送られたようだ。期待していただけに少々残念。


単純にカメラを起動して2つのiPad を並べると、まず最初に分かるのが新iPadのほうが視野角が広いこと。下記の図は、同じ条件でそれぞれの最大視野角で撮影した画像の比較。
【左がiPad 2で、右が新iPad。】
iPadPhotos1
もちろん、いずれの写真も同じ距離から撮影している。

それぞれの液晶ディスプレイに表示されるカメラ画像を見ると、画像の美しさやきめ細かさは、新iPad が明らかに優れている。ただし、そのような比較をした場合、ディスプレイの差も含んでしまうので、純粋にカメラ機能の比較とは言えない。あくまで撮影された画像データの比較で行うべきだ。

そこで、iPad 2 と 新 iPad 、それぞれで同じ被写体、同じ条件で撮影した画像データをEvernoteを使ってWindows PCに転送し、そのWindows PC上で画像ファイルを比較した。

まず、それぞれの画像データのファイルサイズおよび画素数が、まるで異なる。
iPad 2 カメラで撮影した画像:228KB ~720×960 (約69万)画素
新iPad カメラで撮影した画像:1.18MB ~1936×2592 (約500万)画素
いわゆる画素数で言うなら、10倍近い差になる!

それぞれ同じ画素数分だけ切り取って比較すると、下記の図のようになる。
【左がiPad 2で、右が新iPad。】
iPadPhotos2
ただしこの「画素数の違い」が、本来求めるべき「写真の総合的な良さ」にどれだけ結びつくのか、専門外の私には論評できない。こちらこちら、さらにはこちらなどでも書かれている通り、「画素数が多いからと言って、画質がよくなるとは限らない」のは、ある程度カメラを知っている人なら常識の範囲のことだからだ。

もっと色々条件を変えて、明るい場所などで撮影したうえで比較する必要があるだろう。確実に言えるのは、むやみに写真を撮り続けて新iPad内のみに保存すると、iPadのディスクスペースを圧迫しかねないことだろうか。


カメラはこれくらいにして、次回は「あまり知られていないが重要な新機能」だと思われる、「音声認識」の機能についても紹介するつもりだ。


新しいiPad 買った・届いた・触った・比べた

こちらこちらのエントリにも書いていたが、予定通り「新しいiPad」が、本日2012年3月16日(金)に我が家に届けられた。今日のエントリでは、写真を中心に短いレビューをお届けする。
届けられたのは13時ごろ。ヤマト運輸の宅急便で運ばれてきた。下の写真の下段が、運ばれてきた際の紙箱。いたって小さなサイズ。
iPadPackage
 
運んでくれたヤマト運輸のお兄さんの手には、さらにもうひとつ同じ箱があったので、今日配送された人が、私以外にも同じマンションにも少なくとも一人以上はいるらしい。

紙箱の外側には、「Assembled in China」の文字。
assembledinChina
中国から直接発送されたようだ。

箱を開けて、実物を触った瞬間に感じたのは
「分厚くなっている」
と言うこと。

iPad 2 と比べると、こんな感じ。 
thickness
こうして比べると明らかだが、比べる必要が無いくらいにすぐ分かるほどの厚さの違いがある。うーーん、iPad 2の軽さ薄さが気に入っていただけに、これには「がっかりした」と言うのが正直なところ。


一方、最大の「売り」であるところの解像度の上がったRetinaディスプレイも、見た瞬間の「奥行き感」が明らかに違う。

比べた画像が下記で、左がiPad 2 で、右が新しいiPad。
Retina

同じWebサイトをiPad 2 と 新しいiPad の双方で表示させ、その表示をiPhone 4Sのカメラで至近距離から撮影した。上記画像は、是非クリックして拡大してみていただきたいのだが、「明らかに違う」と言ってよいだろう。

今日はとりあえずこれくらいにして、明日以降にカメラの性能なども比べてみたいと思う。


「新しいiPad」に見るAppleの戦略 ~「キャズム」と「イノベーションのジレンマ」的考察

6日前のエントリに書いたように、「新しいiPad」を発表後にいち早く発注した。下記の通り、既に発送されたらしいので、何事もなければ明日3月16日(金)に我が家に届けられるはず!
AppleStore
 
偶然その日は、長女の幼稚園卒園式のために有給休暇取得予定なので、かなり早い時間に触ることが出来そう。本当に楽しみだ。

ここからが今日の本題だが、
私の期待はさておきこの新しいiPad、「期待はずれ」との声も多く聞かれる。

まずは天下の朝日新聞が、「新iPad 肩すかし」との見出しで報じた。(こちらのサイトで、そのイメージがご覧になれる)

ネットでは、下記2つのBlogが「期待はずれ派」の急先鋒だろうか。

確かに今回の発表では、驚くような新技術も新機能もなく、何らかの「サプライズ」を期待していた人たちから見ると、肩すかし感は否定できない。私も、発表直後は正直言ってがっかりした。

ところが、「ハイテクオタク」的な発想を離れて、純粋にビジネスの観点で見てみると、Appleのなかなかにしたたかな戦略が見えてくる。その際にベースとなる考え方は、当Blogで何度か取り上げた「キャズム」理論と、「イノベーションのジレンマ」理論の、両巨頭とも言える2つのビジネス理論だ。

■まずはキャズム理論による説明から
キャズム理論によると、画期的なテクノロジを用いた新しいタイプの製品の場合、それを購入しようとする顧客の層は、下図のように分類される。
chasm
1) ハイテクオタクが真っ先に購入し、進歩派がそれに続く。

2) さらにその後に実利主義者や保守主義者が購入するようになると、
  製品の販売は大きく伸びる。

3) ところが進歩派の購入動機と実利主義者の購入動機には
  大きな隔たり(キャズム)がある。
  進歩派に対して成功したマーケティング戦略は、実利主義者には通用しない。

4) ハイテク製品で商業的な成功をおさめるためには、
  この隔たり(キャズム)を意識して、
  実利主義者に訴えるマーケティングを行わなければいけない。

この理論に従い、「Appleは、いよいよ本腰を入れてキャズムを乗り越え、実利主義者層や保守主義者層にiPadを売ろうとしている。」と考えると、Appleのやっていることは極めて理にかなったものに見えてくる。

ではその実利主義者や保守主義者は、自分たちがお金を払って購入する製品に対して、具体的に何を望むだろうか?

驚くような新機能・新技術だろうか?
答えは「No」。
それを望むのは、ハイテクオタクと進歩派だ。新しいiPadに対してサプライズ技術が無かったと失望しているのは、これら新しいもの好きの層であり、Appleは「それらの層には既に十分にiPadは浸透した」と判断したのだろう。


値段の安さだろうか?
まさに「Yes」。
今回のAppleの発表の中で、見逃しがちであるが実は非常に重要なポイントとして、「値下げされて併売される iPad 2」があると考えている。昨年12月の「AndroidタブレットがiPadにどうしても勝てない3つの理由」と言うエントリの中で、「Appleは、iPadの販売価格を下げようと思えば、いつでも下げることができる」と書いた。とは言っても、ただ闇雲に値段を下げるだけでは、Android陣営との消耗戦になり、さらにはブランド価値も落としてしまう。
「新しいiPad」でブランド価値を維持しながら、「旧型iPad(iPad 2)」で価格重視の実利主義者を取り込んでいくと言うのは、非常にうまいやり方だと思う。新型と旧型で、多くの部品を共通化しているのも、コスト競争の点では有利だ。


何年も同じものを使い続けたいか?
これも「Yes」。
「新製品が出るたびに買い換える」のは、ハイテクオタクや進歩派に特有の行動。実利主義者は決してそのようなことはせず、製品が完全に陳腐化するまで同じものを使い続ける。その期間は、長ければ長いほどよい。
製品がモデルチェンジの度に大きく変わのは、旧型機種の陳腐化を促進してしまう。今回の新しいiPadの機能・性能の向上はいたってマイルドだが、それは「Apple製品は、そこそこ長く使い続けられますよ」と言う、実利主義者や保守主義者に向けたメッセージとも受け取れる。



■次にイノベーションのジレンマ理論による説明を
「本当に旧来のテクノロジを破壊し新たな市場を作る技術と言うものは、旧来のテクノロジとは不連続な革新を伴う」と言うのが、「イノベーションのジレンマ」の触りの部分。
innovation

iPad は、パソコンに対する破壊的技術になるだろうし、iPod は、旧来のポータブルオーディオプレーヤーを破壊した。時代を遡れば、パソコンAppleII は、汎用コンピュータを破壊した。

「iPad」と言う枠組みの中で、いくら凄いハードウェア的な新技術が実装されたとしても、それは持続的な進歩でしかなく、「破壊的テクノロジ(=不連続な革新)」にはなりえない。

上で、「Appleは実利主義者層に狙いを移した」と書いたが、別にハイテクオタク層や進歩派層を見放したわけではないと思う。たまたま今回のiPadの発表ではフィットしなかっただけだ。スティーブ・ジョブズのDNAがApple社内に生きていれば、誰も予想に出来ない「破壊的テクノロジ」の製品を、また出してくれると思う。それに期待しよう。

ちなみに、スティーブ・ジョブズ亡き後に行われたAppleの発表の中では、「教科書の再発明」こそ最も「破壊的技術」になりうるものだと思う。これに破壊されるであろう旧来技術は、グーテンベルク以来の歴史を誇る「紙の本」だ。



・・・などと言った屁理屈は抜きにしても、明日の「新しいiPad」の到着が待ち遠しい。


「”新しい” iPad 」 買ってみた

「iPhone 5」が登場しなかったのと同様に、「iPad 3」も出てこなかった。今回のエントリは、それにまつわる”ゆるい”話を。

■まずはとにかく注文してみた
「iPad 3」が出てこようが出てこなかろうが、スゴい機能があろうが無かろうが、とにかく「新機種が出たらすぐに買う」と事前に決めていたので、昨日(3月8日)の時点で注文してしまった。3月16日には発送されてくるとのこと。
新iPad注文画面
上の図で分かるとおり、今回は店頭には一切出向かず、iPhoneアプリの「Apple Store」を使って、オンラインで注文した。

私のように、事前に「これを買う」と決めておければ、iPhoneアプリを使ってのオンライン購入は非常に便利。クレジットカードの情報などは、「App Store (Apple Storeと間違えないでネ)」用に既に登録されているので、改めて入力の必要無し。少々面倒だったのは、配送先の住所を入力することだけか。

実は私も実際に注文するまで知らなかったのだが、Apple Store での購入の場合は、無償で刻印が入れられれるとのこと。これについても何を入れるのか若干悩んだが、上記図にあるような刻印にした。「愛社精神の発露」も少しあるのだが、「自分の名前を入れると、再販がしにくい」「妻の名前や子供の名前を入れるガラでもない」と言うことで、消去法で残ったと言うのが事実。


■なぜこうも慌てて注文したのか?
私のことをよく知る人なら、まるで衝動買いのような今回の私の行動に、きっと驚いていると思う。私は(少なくともCitrix社員の中では)「新しいもの嫌い」で有名で、新しいモノに飛びついて買うことなど「絶対に」と言えるほどしない。

そんな私が、なぜ今回ばかりは新製品に飛びついたのか?

「新製品が欲しいから」が直接の理由ではない。現在私はiPad 2 を所有しているが、現在の機能・性能に十分に満足しており、しばらくこれを使い続けても良いと思っていた。ちなみに、過去のエントリで紹介した、こちらこちらの動画デモは、その個人所有の iPad 2 を使って撮影している。

実は「妻の両親に iPad をプレゼントしたいから」と言うのが一番の理由。

私自身の父親は、何年も前からそれなりにパソコンを使いこなして楽しんでいる。ところが残念ながら義理の両親は、数年前にパソコンを購入はしたものの使いこなすには至らず、パソコンは実質「置き物」になってしまっている。そんな義理の両親にも、iPad であればそれなりに楽しめるのだろうと言うのが今回の狙い。iPad なら本当に誰でもできるゲームが充実しているし、何よりも遠くにいる孫たちとのFaceTimeでのテレビ電話は、これぞ「キラーアプリ」と言えるものだ。

当初は、義理の両親のために新しいものを購入することを考えていたのだが、それはそれで問題もあることに気がついた。先方がかえって恐縮してしまい、高価な「お返し」買われてしまうことはほぼ間違いないのだ。もちろん、そんな「お返し」に負担をかけることは本位ではない。そこで思いついたのが、「新しいのを買って古いものがいらなくなった。捨てるわけにもいかないので、どうぞ使ってください」と渡す方法だ。これなら、先方を過度に恐縮させることはないだろう。

あとは時期の問題。小学校の春休みを利用して、妻と子供たちは名古屋の実家に帰るので、そのタイミングで持ち帰ってもらう為には、早く注文しないといけないのだ。

おかげさまで、3月16日には「新しいiPad」が届く。春休みまでに、「古いiPad (?)」を綺麗な状態に戻すには、十分な時間があるだろう。

「教科書の再発明」に隠れた真のイノベーション

Steve Jobs 亡き後も、そのDNAはAppleに引き継がれていると思わせる発表だった。2012年1月19日に発表された「教科書の再発明」と謳われた、あの発表のことだ。
教科書を再発明
誤解しないで欲しいのだが、私は「教科書(教材)を電子化してiPadで見られるようにしたこと」を特段凄い事だとは思っていない。教材の電子化は、「e-Learning」と言う名前で何年も前から実現されているし、既にビジネスとしても十分成立している。

では何が凄いのか?

磐石のビジネスモデル(端的に言うならば「後はラクして儲かる仕組み」)を作り上げたことだと思う。発表された後に「後だしジャンケン」で振り返れば、至極シンプルかつロジカルなビジネスモデルなのだが、今まで誰もやっていなかった。それをまたAppleが「発明」してしまったのだ。

例の「教科書の再発明」でAppleがリリースしたものを、もう少し詳しく見てみよう。これを紹介したテレビの映像などでは、いかにも利用する子供たちの興味を引きそうな、美しくて迫力のあるiPad上の教材の映像が流されていて、思わずそちらに興味が行きがちだった。しかし、Appleは「教材のコンテンツ(中身)」そのものは作っていないし、今後も作らないはずだ。

Appleが作ったものは何だったのか?

1つは、コンテンツ作成者用のツール「iBooks Author」
iBook Author
おそらくこのツールは、AppleとiPadの強みを活かして、コンテンツ作成者にとって飛び切り使いやすく魅力的なツールになっているのだろう。多くのコンテンツ作成者がこのツールで創造意欲を掻き立てられて、今後良質のコンテンツが充実していくことが予想できる。

2つ目は、電子書籍をiPad上で見るアプリ「iBooks 2」
iBook 2
既存のe-Learningアプリよりも、魅力的で使いやすいものになっていることは、少し見たテレビの映像から用意に創造できる。パソコンでのマウス操作よりも、iPadのタッチ操作は、特に教育分野では魅力的だ。

注目すべきは、新たに発表された上記2つのアプリが、いずれも無料で提供されることだ。
ではAppleは、どのようにお金を儲けるのか?


答えは既に運用中の「iBookstore」にある。これはいわば、Appleが経営する「電子書店」であり、「iBooks Author」を使って作成した電子書籍は、「iBookstore」が独占販売するのである。iBook Authorを使って誰かが電子書籍を作り、それを誰かが買うと、売り上げの一部が自動的にAppleに入ってくる。つまり、自らコンテンツを作らなくても、無料ツールに引寄せられて集まってきたコンテンツ作成者がコンテンツを作ってくれる。そしてそのコンテンツの売り上げの一部が、自動的にAppleの懐に入ってくるのだ。

実に素晴らしいビジネスモデルだ!
お賽銭


それにしても、言われてみればこんな簡単なことを、どうして今まで誰もこれを実現できなかったのだろう?

ひとつの理由として考えられるのは、「iPadと言う電子書籍に適した魅力的な端末があって初めて実現できた」と言う考え方だ。確かにWindowsパソコンでは、このモデルは成立しにくいかもしれない。

では、ハードウェア的な造りはだけならiPadに近いAndroidタブレットを使った電子書籍ビジネスは成り立つのか?これは深い問題なので、次回のエントリにて。

妻に iPod Touch をプレゼント

スマートフォンの購入を検討したが、「月々5千円以上のパケット定額は、いくらなんでも高すぎる!」と思って、購入を躊躇している人や、既に諦めた人は多いと思う。そんな人たちに、声を大にして言いたい。

「まずは、iPod Touch を買いなさい!」と。

一番安いモデルであれば、パケット定額3か月分でおつりがくる。無線LANのある家の中でなら、ほぼスマートフォンと同様に使えるので、まずこれで3ヶ月は様子を見るべきだ。

外出の少ない人で、「家の中で使えれば十分!」と思った人は、引き続きガラケーとiPod Touchを使えばよい。

「これは素晴らしい!これなら月々5千円以上払っても、屋外で使いたい!」と思った人は、パケット定額を払って、スマートフォンに乗り換えれば良い。iPod Touchの購入費用約1万5千円も、あながち無駄にはなっていない。

実は私もそのように考えて、妻にiPod Touch をプレゼントした。
iPod Touch

話は数ヶ月前に遡るのだが、それまで使っていた妻の携帯電話(au)が購入後2年経過しようとしていて、他キャリアへの乗換えか機種変更かを検討し始めたのがこの話の発端。

妻の周りでも、スマートフォンを使い始めた友達が増え始めたらしく、彼女もかなりスマートフォンに興味がある模様。しばらく携帯電話ショップを巡って、iPhone だの Android だのを見て回ったが、月々5千円以上も必要な「パケット定額」が、スマートフォン購入の最大のネックだと気がついた。

これまで使っていたガラケーでは、妻は典型的なライトユーザーで、自分から通話することもWebを閲覧らすることも滅多になく、もっぱら実質無料の携帯メールを中心に使っているのみだった。月々の使用料は、基本料金など全て合わせても3千円もかかっていなかったはず。

それがスマートフォンでは、一気に倍以上になってしまうのだ!!
これはいくらなんでももったいない。


そこで考えたのが、携帯電話は引き続きガラケーを使ってもらい、(機種は変更して新しいものにした)  それとは別に iPod Touch をプレゼントして、せめて家の中ではスマートフォン気分を味わってもらおうと言うもの。

結果は大成功!
専業主婦で外出の少ない妻は、十分にこれで満足している。

既に無線LAN環境の整っている家の中であれば、ほぼiPhone と同じように使える。使えないのは「電話番号を使った電話」だけだ。「電話番号を使った電話」などとわざわざ書いたのは、Apple純正のFaceTime や、Skypeであれば使えるからだ。

<FaceTime利用時のイメージ>
FaceTime

繰り返しになるが、「スマートフォンに必須なパケット定額は高すぎる!」と思う人は、是非iPod Touch を。

書評「CEOスティーブ・ジョブズ 追悼号」

まさに「雨後のタケノコ」状態のスティーブ・ジョブズ関連書籍だが、
中でもこれが一番のおススメ。素晴らしい!!
CEOスティーブ・ジョブズ追悼号
                     (Amazonでの購入はこちら)

Appleとジョブズの軌跡が必要かつ十分な量でまとめられているほか、懐かしいApple製品の写真が豊富に掲載されているのも嬉しい。歴代の基調講演の解説にも多くのページが割かれており、世界に衝撃を与えた数々の製品だけでなく、徐々に痩せていくジョブズの外見の変遷が一望でき、懐かしくもあり、そして最後の姿はいかにも痛々しい。


ちなみに、スティーブ・ジョブズ関連本では、こちらがベストセラーになっているらしい。
ジョブズ本
2冊合わせて4,000円近くが払えるほどジョブズが好きでもないし、ひたすら文字だけで900ページ近い分量を読む時間を捻出できるほどApple好きでもないが、やはりAppleやジョブズは強い興味の対象であると言う、私のような人は多いと思う。このハードカバー本を買おうかどうか迷っている人は、最初に紹介したムック本がちょうど良いはず。



冒頭で紹介した「CEOスティーブ・ジョブズ追悼号」に話を戻そう。
この本で特に素晴らしいと言えるのが、大谷和利と言うライターの書いたAppleの歴史、および時々のビジネス上のポイントを書いた記事(40ページ近い分量)。ジョブズ、そしてAppleの成功の要因が独自の分析で解説されているのが良い。

中でも特に印象に残ったのが、(今となっては当たり前ではあるが)「iTunes」のWindows版のリリースを決断した理由の部分。確かに当初iTunesは、Macintosh専用のソフトウェアでWindows版はリリースされていなかった。その頃まだまだMacintoshが収益の柱だったApple社内でも、iTunesのWindows版開発は「敵の軍門に下ること」として反対意見が多かったらしい。

今になって振り返れば、このWindows版iTunesのリリースこそ、iPodがブレイクするきっかけであったし、それはその後のiPhoneやiPadでの市場優位に直結している。また、iTunesやiPodで「Apples製品の良さ」を知ったWindowsユーザが、Macintoshに乗換えした例も多かったはずだ。

ただしこのiTunes Windows版リリースを「当然の決断」と言うのは、あくまで「後だしジャンケン」での話かもしれない。ところが私自身も経験しているが、IT業界の中では競合相手に必要以上にナーバスになることが多く、長期的な戦略やりも目先のパイの分け前に必死になりすぎる傾向が強い。そんな彼らから見ると、競合はあくまで倒す相手であり、「うまく競合を利用する」と言う選択肢は全く無いようだ。部分的にしろ、競合と思われる相手と組むことは、「敵に塩を送る」だの「敵の軍門に下る」だのと忌み嫌われてしまうのだ。きっと当時のAppleにも反対派はいたことだろう。

私は以前に、こちらのエントリ(競合製品は無いと困る!)で、競合の必要性を説いた。また、かつてNECさんとのこんな話(Citrix XenDesktop による NEC VirtualPCCenterの連携強化)にも絡んでいたが、ともすると当時はCitrixの競合と思われていたNEC VirtualPCCenterとの連携を「敵に塩を送る」として、非難されたりもした。iTunesのWindows対応の事例は、その時の判断が間違っていなかったとして、勇気づけてくれるものとなった。

 

さらばiPhone 3GS、こんにちはiPhone 4S

会社から新しい携帯電話が支給された。最新のiPhone 4Sである。と同時に、2年間お世話になったiPhone 3GSを返却することになった。その別れの記念の意味も込めて、新旧2つ並んでパチリ。
      左:iPhone 4S         右:iPhone 3GS
iPhones
 
「3GS と 4」あるいは「4 と 4S」の比較はよく行われていても、ひとつ間を挟んだ「3GS と 4S」の比較は、あまり行われていないのではないか。実際は私のように2年周期で機種を変える場合が多いので、2年越しのモデル比較は重要だと思うのだが、マスコミ的には地味なネタになってしまうのかもしれない。

さて、新しいiPhone 4Sを手にしての感想.

予想や期待よりも遥かに進化していて驚いた!

まず明らかな違いがそのスピード。かつては3GSでも概ね問題無く使えていたのだが、最近iOS5に上げてから、かなりイライラするほど遅くなっていた。特にSafariブラウザでの複数ページ切り替えは、必ず一呼吸固まった状態を挟むために相当イライラささられていた。それが4Sでは、同じiOS5でも「一呼吸固まる」と言う動きは全く見られず、実に快適にスムーズに動くようになった。ムーアの法則の恩恵が大部分かと思うが、iOS5自体が4Sのハードウェアに最適化されているのかもしれない。

次にディスプレイの鮮やかさ。言われている解像度の違いまでは分からないが、色合いは明らかに異なる。最初に紹介した写真でも、4Sのディスプレイのほうが鮮やかに写っていることをご確認いただけると思う。さらに角度をつけた下の写真は、それがさらに顕著になる。

iPhones2


斜めから見ると、3GSでは色合いが相当に薄れて霞んでしまうが、4Sではまだまだ鮮やかに見える。ちなみに、4Sは液晶カバーを付けていて、3GSでは返却するために液晶カバーを外しているので、条件的には3GSのほうが良いはず。それでも4Sのほうが、遥かに色合いは良い。

あとは細かい話だが、カメラにフラッシュ機能がついたことはありがたい。実は昨日、同僚の送別会があって、飲み屋の暗い店内で写真を撮ったのだが、十分に明るい写真が撮ることが出来たのは実にありがたかった。


ちなみに、古い3GSから新しい4Sへのデータ移行は、こちらの手順により実に簡単にスムーズに出来た。アドレス帳、写真、メール、曲データの全て完璧。このあたりは、ガラケーよりも遥かにユーザ本位と言ってよい。各種パスワードのみ移行できず、手動での再入力となるが、これは「正しい仕様」とのこと。




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