以前のエントリで予告していた通り、Citrix Synergy 2012 San Francisco でのCitrix CEO Mark Templetonのキーノートスピーチ(基調講演)の内容をレポートする。Citrix Synergyキーノートは、現地時間で2012年5月9日(水)午前10時半、日本時間だと5月10日午前2時半から、San Franciscoのモスコーニ・センターで行われた。

今回のエントリは、スピードを最優先にした「メモ」としてお届けしているので、用語の解説などはしておらず、記述も読みにくいところがあるが、どうかご容赦いただきたい。このキーノートを受けての山田個人の所感などは別のエントリにまとめたいと思う。なお、記述内容は、私(山田晃嗣)が実際にスピーチを聞いて理解した内容であり、英語の聞き取りミスなどによって内容的に不正確なことがあるとしたら、それは全て私の責任である。

キーノートの様子(撮影は全てiPhone4Sのカメラより)
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以下、実際のキーノートの内容をメモに基づいて時系列にて
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■いくつかのUpadte
GotoAssist
50Milion sessionsの実績。
新たにGotoAssist for iPad とGoto Assist for Androidを無償にて提供済み。

・WYSE Xenith 2
2年前にXenithを発表したが、今回Xenith2を発表。
40%fasterで、WANに最適化されている。マルチモニタにも対応。

・VDI in a Box
XenDesktopへのアップグレードパスを用意。
2012年の「BEST of INTEROP Award」を受賞。
Dellの「DVS」と言うプリインストールモデルもあり。


・Citrix AppDNA
2014年のWindows XPのサポート終了に向けての有用なツールになるはず。
新バージョンAppDNA6.1は、インストールやGUIをより使いやすく改善している。


・XenClient
かつてはXenClientの競合であった「Virutal Computer」を買収
新たにEnterprise Editionを$175 per Userで提供。


・Microsoftアライアンス
Hyper-VによりVDIの集約率を大幅に向上可能。
Windows8やWindows Server 2012へのいち早い対応を進める。


・Ciscoアライアンス
Cisco VXIはXenDesktopのReference Designになる。


■Innovation Award
最終ノミネートは「SUNCORP」「IDC Frontier」「ESA」の3つ。
投票によって決められたAward Winnerは、ESA。



■キーノート主題

・「PCの時代」から「クラウドの時代」へ
"Exception of PC Era are the New Asumption of Cloud Era"
「PCの時代で『例外』だったことは、クラウドの時代では『前提』となる」
それは例えば「Mobile」「Personal」「Wireless」と言ったこと。


・Work と Life がSeamless Continuum(境目の無い連続体)に
Seamlessになればなるほど便利になるはず。
それをre-Invention(再発明)するのが、Citrixの「Mobile Workstyle」と「Cloud Service」
Mobile Workstyleの構成要素は「People」「Data」「Apps」「Device」の4つ。


・People
People(人々)に対して「Work from anyware, with anyone, on any device」を実現する。
そのためのひとつツールとして、GotoMeeting HD Faces for iPadの提供開始。

加えて、Workflowツールの「Podio」の買収を発表。
元々PodioはEvernoteやDropboxと言ったクラウドサービスと連携したWorkflowツールだったが、
Citrixの買収によりShareFileやGotoMeetingとの連携できるようになった。
GotoMeetingのグループ内でのスケジュール管理や、
グループ内で参照すべきファイルをPodioにより一元管理できるようになった。


・Data
ShareFile with StorageZonesを発表。
StarageZonesは、ShareFileによるファイルの保存先として、
オンプレミスのストレージやクラウドにしても世界のどこのデータセンタかを選択可能にする。
企業のセキュリティ要求に基づいたもの。
まずはTech Previewとして提供。


・Apps
Citrix Receiver with Follw-Me-Dataを7月に発表予定。

Citrix Cloud Gateway2 を発表。
「アプリケーション」と言うと、これまでWindowsアプリが中心だったが、
今後はApple、Android、HTML5と、アプリも多様性が増していく。
そのような多様なアプリの「Unified Store Front」としての役割をCloudGatewayは担う。

キーノートでは次のようなデモを披露した。
まずWindowsのReceiverでで「お気に入りアプリ」を設定し、
それがMacやiPadにデバイスを変えても、「お気に入りアプリ」が維持されることを示した。
(これがFollow-Me-Apps)
併せて、Receiverの「Docs」タブでは、
デバイスが変わってもShareFileによって同じドキュメントが維持されることも見せた。
さらには、iPadのネイティブアプリの配布管理も出来ることを示した。
これは従来のMDM(Mobile Device Management)よりもさらにバリューを提供できるもの。


・Device
上記したAppsとDataは、各デバイスプラットフォーム用のCitrix Receiverにより、
あらゆるデバイスで共通のインタフェースが提供され、
AppsもDataもデバイス間で同じように使える。

・XenDesktop
相変わらずシェアNo.1。
「Total Value of Ownership」の概念を提唱。

FlexCastのいちコンポーネントとして、「Remote PC」をアナウンス。
従来の仮想PCやブレードPCだけでなく、既存のパソコンに対してもHDXでの接続が出来るようになる。
これによって通常のVDIよりも導入コストを大幅に下げることができる。

さらにはHDX 3D Pro Deep Compression CODECと、
Windows8メトロインタフェースの仮想化もデモ。


・HDX Ready System-on-Chip
各デバイスメーカの対応状況を説明。
特にHPの「All in One Zero Client」は、Ethernetによる電源供給が特徴
消費電力が極小のため、電源コードが必要なく、
Ethernetケーブルだけの接続で動作すする。

・Cloud Serviceの4つの構成要素
「Bridge」「Build」「Deliver」「Transform」の4つが、
Citrixの「Powering Cloud Services」の構成要素。

・Bridge
Private CloudとPublic Cloudのブリッジの役目を担うのがCloud Bridge
より構築が容易になったCloud Bridge2を6月にリリース予定。

・Build
Amazon Web ServiceのようなCloudを簡単に構築(Build)できるのがCloudStack。
CloudStackがApache管理になったことにより、
Citrixの有償製品の名称は「CloudPlatform」へ変更。


・Deliver
Cloud Serviceを配信(Deliver)する役目を担うのがNetScaler。
今回あらたにNetScaler10 with TriScale Technologyを発表。
TriScale(3つのスケール)とは・・・
1) Scale Up : Pay as you Grow
2) Scale In : Consolidation
3) Scale Out : Clustering


・One More Thing
4つの構成要素の最後の「Transform」の役割を担う製品としてProject Avalonを発表。
XenDesktop/XenAppのクラウドスタイルサーバオーケストレーションを可能に。
詳しくは明日2日目のキーノートにて説明。


・最後のまとめ
Citrixの5本の柱。
1) Online Collaboration
2) Data Share
3) Desktop & Application
4) Cloud Networking
5) Cloud Platform

「Citrix > Σ(上記5つ)」と定義づけ。