もう5年以上前に書いたエントリなのですが、こちらの「iPadでマウス操作」には、いまだに結構な数のアクセスがあります。「iPad マウス」とのキーワードで検索されるらしいのですが、それだけiPadでマウスを使いたいと言う要望が根強いことの証なのでしょう。

5年前のエントリでは、Citrix Receiver をインストールした iPadとiPhone をBluetooth でペアリングさせることで、まるでiPhoneをトラックパッドのように使えることを紹介していました。
(手の出演は、6年前の私です・・・)


これはこれでなかなか興味深い使い方ではあるのですが、あくまで2012年時点でのテクノロジーでしかありません。また、「iPadでマウス操作」と言うタイトルから期待される内容でもありませんでした。ご覧になってがっかりされた方も多かったでしょう。

ところがその後、iOS用のCitrix Receiver はさらに進化し、現在では本物の物理マウスが使えるようになっています。それがこちらのCitrix X1 Mouseです。
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実際の動作を示す動画がこちらです。(手の出演は、3年ほど前の私です・・・)


iPadにしろ、iPhoneにしろ、本来のiOSのアプリはマウスが不要に作られているはずなのですが、Citrix Receiver やRDPなどで、iPhone/iPadを”ただのリモート端末として”Windows環境を使う場合は、マウスが欲しくなります。ただそのような用途については全くおかまいなしに、Appleは頑なにiOSでのマウス利用を認めていません。

そんな中「Citrix X1 Mouse」は、iOSで使える極めて稀な物理マウスなのです。


ただしこのように動作させるためには、いくつかの(ややお金のかかる)条件をクリアする必要があります。

まず、Citrix X1 Mouseを入手しないといけませんが、実はそう簡単に入手できません。これは元々企業向けにまとまった個数でのみ販売されるものなので、個人向けの販売を想定していないのです。最近では、Amazon経由で個人で単品で購入することも可能ですが、そんな事情のため普通の市販のマウスよりかなり高価になっています。


そしてこの記事を読んでいる多くの皆様にとって、大きなハードルとなるのが、Citrix の XenApp または XenDesktop が必要だと言うことです。

XenApp も XenDesktopも、完全に企業向けのソフトウェアです。ある程度の人数の社員向けの仕組みとして導入するのは現実的でも、個人レベルでXenApp や XenApp を導入することは、残念ながらほぼ不可能と言って良いでしょう。ライセンス費用や、必須要件として必要となるサーバーリソースなど、相当に高価なものになってしまいます。~それが、Citrix X1 Mouseを個人向けに販売していない理由です~

以前の私はCitrixの社員でしたので、その頃であればこのブログの記述も「XenApp や XenApp を入れれば良いでしょ!」で終わっていたはずです。しかし現在は幸か不幸か(笑)、私はCitrixの社員では無くなっています。そのため私自身がXenAppもXenDesktopも使うことが出来なくなっているのですが、一方でCitrixの社員であるがゆえに制限されていた「言論の自由」も手にしました。その現実を踏まえたうえで、もう少し自由に読者の皆様に寄り添ったことを書けるようにもなっています。

それはつまり・・・
Citrix X1 Mouse はWindowsリモートデスクトップでも使えます!
と言う、以前は公の場で発言しづらかったことが、今の立場なら言えるのです。

それを実現するのが、こちらの「Jump Desktop」と言うアプリです!

Jump Desktopは1,800円の有償アプリですが、XenAppや XenDesktopの仕組みを揃えるよりは、桁違いに安い金額で入手できます。実際に動作することを確認しました。次回のエントリで、その使用感などをレポートしたいと思います。