かれこれ6年も前のことなのですが、写真フィルムメーカーのコダックが経営破綻となったニュースを受けて、「コダックの経営破綻と『イノベーションのジレンマ』」と言う一連のエントリを書きました。「コダック イノベーションのジレンマ」でGoogle検索すると、1ページ目の上のほうに表示されることから、いまだに良く読まれている記事ではありますし、自信を持ってお勧めできる内容になっていると自負しております。

その後月日が経過し、現在勤めている会社の部内勉強会で「イノベーションのジレンマ」について紹介する機会があり、上述のエントリの内容を5分程度に凝縮してプレゼンテーションを行いました。その内容もそれなりの自信作で、部内の発表だけで終わらせるのはもったいないと考え、一部資料を修正して(口頭で説明した部分を、文字の説明として加えるなど)SlideShareにアップしました。

それがこちらです。

特に、2ページ目の
「不連続な技術革新で置き換えられた新旧テクノロジーの事例」
の図は、ちょっとした自信作です。これだけ身近な事例を並べれば、イノベーションのジレンマによる置き換えを理解いただきやすいのではと思います。
イノベーションのジレンマ


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実は今回、6年ぶりにイノベーションのジレンマを取り上げる気持ちになったのは、あのコピー機の米国ゼロックス社を日本の富士フイルムが買収するとのニュースが入ってきたことがきっかけです。

まず、富士フイルムと言えば、元々コダックと同じフィルムメーカーでありながら、コダックと違って見事にイノベーションのジレンマを克服してしまった企業です。そのことは6年前のエントリでも取り上げました。

さらに、今回の買収は、コピー機と言う一世を風靡したテクノロジーが、タブレットの普及によるペーパーレス化の煽りを受けて、すっかり「終わコン」になってしまったことに起因しているとのこと。つまり、ゼロックスもコダックと同じく、イノベーションのジレンマに負けてしまった企業と言っても良いでしょう。

我々が現在普通に使っているパソコンのGUIの源流は、実はゼロックスが最初に作ったもので、それに触発されたスティーブ・ジョブズがマッキントッシュの開発を進めたのは有名な話です。もしもスティーブ・ジョブズが、ゼロックスのGUIを見ていなければ、マッキントッシュの登場も、それに続くiPhoneやiPadの登場もどうなっていたか分からず、今のようなペーパーレス化も進んでいなかったでしょう。ゼロックスは、まさに自分達が発明したテクノロジーによって、自らの衰退を早めてしまったわけです。

6年前のエントリーにも書きましたが、コダックの衰退を早めたデジタルカメラも、実は当のコダックが最初に発明したものであり、イノベーションのジレンマの呪いと言うのは、実に克服が難しいものと言えます。

写真フイルムが”終わコン”になった際には、見事にその苦境を乗り越えた富士フイルムが、今回コピー機にの”終わコン化”で、どのように苦境を乗り越えるか、見ものではあります。