最初に結論を書く。
「新しい iPad」(以降では新iPad と呼ぶ)では、テキストの音声入力が出来る。
新iPad音声入力

この機能の出来は凄く良くて、かなり使える。
加えて、(Appleから大っぴらに広報されていないが)iPad 2 以前の古いiPad ではこの機能は使えない。もし今旧来型iPad を所有している人が新iPad に買い替えるべきかどうかの決め手は、Retinaディスプレイでも高解像度カメラでもなく、この音声入力機能なのではないかと思う。


まず、どれだけ「使い物になるか?」について。
今日のエントリの導入部のパラグラフ(上に書いた部分)を、新iPad の音声入力を使って、実際に入力したものが下記の青字のテキスト。上部の「お手本」と比べて欲しい。
(明らかな間違いのみ赤字にした)
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最初に結論を書く
新しいiPad以降ではiPadと呼ぶ(文字抜け)テキストの音声入力ができる
この機能の出来はすごく良くてかなり使える
加えてアップルからおおっぴらに広報されていないがiPad to以前の古いiPadで(文字抜け)この機能は使えない
もし今旧来型iPadを所有している人が新iPadに買い替えるべきかどうかの決め手は
ベティーナディスプレーでも高解像度カメラでもなくこの音声入力機能なのではないかと思う
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私がキーボードから手動で行った作業は、入力を区切ること(ひとつの改行までが、一度の音声入力で区切った範囲だ)と、区切った後にテキストに改行を入れたことのみ。漢字変換なども、全て自動でやってこの結果である。

・明らかな間違いは5箇所。
・句読点や鍵カッコ、カッコは入力できない
・「Apple」にしてほしかったが「アップル」となった(「iPad」はカタカナにはならなかった)
・音声入力してから、文字が表示されるまで、「ひと呼吸」待たされる

人によって「使える or 使えない」の評価は分かれるかもしれないが、私はこのレベルなら「素晴らしく使える」と思う。

PCのハードウェアキーボードに比べると、iPad のソフトウェアキーボードはまだまだ使いにい。入力のスピードはかなり落ちる。一方で、iPad を使えば使うほど、テキスト入力の必要性は高くなり、ストレスも増してしまう。ソフトウェアキーボードの使いにくさは、やはりiPad がPCを超えられない大きな理由のひとつになっている。

ところが、音声入力を使えば、文字入力のスピードは、ソフトウェアキーボードよりも相当に早くなる。間違いや、句読点やカッコも、補助的にキーボードで手動入力すればよい。

なお、私はこの音声入力機能の「使い方」について、全くと言って良いほど調査や学習をせずに使っている。「何も学習しなくても十分に使えるくらいに簡単」なことと、「ひょっとしたら、コツを身に付けることで認識や漢字変換の精度が上がって、もっと良くなるかもしれない」ことは、強調しておきたい。


2012年3月21日追記:
その後いろいろ調べた結果、下記の句読点・カッコ・改行なども、次のように入力できることが分かった。
、:とうてん
。:まる
(:かっこ
):かっことじ
「:かぎかっこ
」:かぎかっことじ
改行:かいぎょう

ただ、これらの使い方に関するApple公式の情報は、どうしても見つけることが出来なかった。
ご存知のかたがいれば、是非教えてください。 


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以下は、この音声入力機能に関して、少し視点を変えた話。

残念ながら、この「新しいiPad の音声入力機能」に関してのAppleのメッセージは凄く分かりにくいと思う。もっと強くかつ分かりやすくアピールすれば、「旧型 iPad からの買い換え」がずっと促進すると思うのだが・・・

まあ、AppleにはAppleの思慮、もしくは(やむをえない)事情もあるかもしれないので、ここはAppleに変わって、この私が新iPad の音声入力の説明を引き受けることにしましょう。
特に、分かりくい点や誤解されている点を整理してみたい。

・「Siri」と「音声入力」は別物!
「音声入力」とは、口で話した言葉をテキスト情報に変換してくれる機能のこと。あくまでキーボード入力の代替でしかない。
一方で「Siri」は、音声入力を利用して、「電話をかけろ」とか「○○について調べろ(検索しろ)」のような、口頭での命令でデバイスを操作する仕組みのこと。

この違いが良く分からない状態で、例えばこちらのサイトのような「新しいiPad では、音声アシスタントSiri が使えない」と言う情報が、新iPad発表後にネット上に広がった。この時点では、多くの日本人がSiriも音声入力も使ったことが無かったので、理解のしようがなかったのだ。
少なくとも当時の私は、「単純な音声入力=Siri」だと思っていたので、「Siriが使えない=音声入力が出来ない」と解釈してしまった。このように解釈した人たち、あるいはいまだにそのように思っている人は少なからずいるのではないか。実際に新iPad を手にとって触るまで、私もこの誤解は解けていなかったと思う。


・「音声入力」はiPad 2以前の旧型iPad では使えない。新iPadだけで使える
このこと自体は上でも書いたが、明確に書かれている記述は少ない。本家Appleのサイトの記述も、非常に分かりにくい。

まず、AppleのWebサイトの新iPadを紹介するメインページでは、「Retinaディスプレイ」「iSightカメラ」「iLifeとiWork」「超高速ワイヤレス」の4つが説明されていて、その中に「音声入力」の説明はない。

Apple Web Site


その下の階層にある新iPadの「特徴」を説明するページで、ようやく音声入力に関する記述を見ることが出来るが、このページこそ「分かり難さ」を増徴させる要因になってしまっていると思う。
新iPad特徴


上の図のように、「音声入力」は「iOS」や「iCloud」と同じグループで説明されている。ところが、「iOS」や「iCloud」は、新iPadのみで使える機能ではなく、旧来のiPadでももちろん使えるものだ。であれば、同様に記述されている「音声入力」も「旧来iPadで使える」と誤解されても仕方が無いのではないか。

特に、過去のiPhone/iPadのことをある程度知っている人ほど次のように考えるだろう。
「これまで、新しいデバイスの発表と相前後して、『新しいバージョンのiOS』もリリースされた。『新しいデバイスの新機能』と謳われて紹介された機能の多くが、実際は『新しいiOSの新機能』であり、iOSのバージョンアップさえ行えば、旧型デバイスでも新機能を使えた。画面解像度やカメラは、ハードウェアに依存するから旧型iPadでは使えないのは当然として、音声入力はソフトウェアの機能なので、iOSのバージョンアップで、旧型iPad でも使えるだろう。」

上記の青字のような考え方は、音声入力機能に限って言えば間違いである!!

Appleさん、新しいiPadの音声入力に対してはかなり誤解されているはずです。
それを正すようなメッセージを出されるべきだと思いますよ。
新しいiPad への買い換えを躊躇している旧型iPad ユーザの中の相当数が、
音声入力欲しさに買い換えるのではないでしょうか。