今月に入ってからの一連エントリで、iPadでWindowsアプリケーションが使えること、それは特に「業務アプリ」と呼ばれる企業内アプリケーションの活用に適していることを説明してきた。

特に前回のエントリでは、iOSネイティブアプリを新規開発するよりも、Windowsベースで開発したほうが、アプリケーションのライフサイクル管理の点で利点があることを説明した。

しかしながら、iPadのようなタブレット端末を使うことを大前提とした場合、ネイティブアプリケーションを開発したほうが良い点も、もちろんある。そのひとつは、「タッチ操作に適したGUI」だ。WindowsアプリのGUIがタッチ操作に十分に最適化されておらず、タブレットでそのまま使うには、使いにくい面が多々ある。特にiPhone/iPadのネイティブアプリケーションは、タッチ操作に対して素晴らしく適合したGUIを持っており、その差は大きい。

そのことを具体的な例を挙げて見てみよう。

下記のイメージは、Citrixのダウンロードページの一つであるが、ページ上に「プルダウンメニュー」あるいは「ドロップダウンメニュー」と呼ばれるメニュー選択のGUIが複数ある。(画像クリックで実際のページにジャンプ)
プルダウンのあるWebページ


これらプルダウンメニューは、Windows上で動作するWebブラウザでは下図のように表示される。
Windowsのプルダウン


このメニューの表示は、マウスでの操作を前提に作られており、マウスで使う分には全く問題は無い。しかしこの表示のままでタッチ操作を行うと、少々不便を感じる。メニュー間の幅が狭すぎて選択が正確に行い難いのだ。この表示は、特定のWebブラウザに依存しているわけではなく、IEでもFirefoxでもChromeでも、Windows上で動くWebブラウザなら概ね同じように表示されるし、Windowsに限らずLinuxでもMacintoshでも大きくは変わらない。 

ところが、全く同じWebページのプルダウンメニューが、iPad上のSafariブラウザだと下記のように表示される!
iPadのプルダウン


さらには、iPhone上のSafariブラウザだと下記の通り。
iPhoneプルダウンメニュー


いずれもメニュー間の幅がうまく調整されていて、タッチ操作による選択が実にやりやすい。特にiPhoneの場合は、画面のサイズやiPhoneを操作するときの指の使い方まで良く考えられたGUIで、本当に本当にうまく作られていると感心する。

残念ながら、私がこれまでのエントリで紹介してきた方法(Citrix Receiverを使ってWindowsアプリをiPad上で動かすやり方)では、これらiPhone/iPadが持つ素晴らしくタッチ操作に適合したプルダウンメニューは、(基本的には)使えない。あくまでマウス操作を前提とした、幅の狭いプルダウンメニューを使うことが基本なのだ。


でもここからが本題!!

上記で思わせぶりに(基本的には)と書いたが、「基本」から良い方向に外れることもできるのだ。Windowsアプリでも、iOS特有のタッチ操作に適したプルダウンメニューを使うことはできる!!

とにかくまずは、下記動画を見てほしい。




 
このエントリのタイトルでもある、「XenApp 6.5 Mobility Pack」と言うものを使っているのだが、詳しい説明は次回のエントリにて。