前々回のエントリでは、Citrix Receiverを使ってWindowsアプリケーションを、iPadで動かす方法について紹介した。このエントリを公開してから2週間近くが経つが、おかげさまで赤丸急上昇の人気エントリになり、かなり多くの人に読んでいただいている。

他の多くのBlogと同様に当Blogでも「アクセス解析」を行っているのだが、これによってどのような検索によって当Blogに来ていただいているのかが把握できている。それによると、「iPad 業務アプリ」や「iPad VB」、「iPad Visual Basic」といった検索キーワードでBlogを訪れる人が前々回のエントリ公開後に激増している。私の想像以上に「iPadの業務利用」の関心は高いようだ。

今回のエントリでは、Citrix Receiverの利用はひとまず片隅に置いておき、ネイティブのiPadアプリを開発して、それを業務アプリとして使うことに関して考察してみたい。


【一見すると魅力的なiPadネイティブの業務アプリ開発】
まず最初に、今まで私が間違って認識していて、今回このエントリを書くために色々調べて初めて分かったことを紹介したい。おそらく以前の私と同じように間違って認識されている人も少なからず居るのではと思う。それは・・・
「iPhone/iPad 用のアプリは、別にApp Storeで公開することが必須ではなく、社内の特定業務用途で利用する目的で、限定された人にのみアプリを配布することは可能だ」
と言うことだ。

こちらのサイトにそのことが書かれているのだが、本家Appleによって「iOS Developer Enterprise Program」というプログラムが用意されていて、これによって「社内特定業務用アプリ」の開発・配布が可能になる。プログラムの加入には、年間24,800円の参加費が必要になるのだが、本気になって業務アプリを開発するつもりの企業にとっては格安の価格と言えるだろう。

iPadで「社内に限定した特定業務アプリの配布も可能」と分かれば、次は実際のiPad用のアプリ開発がどの程度のものかと言う議論になる。これに関しては、既にアマチュアプログラマーの作ったiPhone/iPad用のアプリがApp Store上に溢れていることからも分かるように、アプリ開発は十分に現実的なことだと言える。それが「簡単」か「難しい」かの判断は人によるだろうが、入門から実践のための情報は、Webや書籍などに溢れかえっている。全くの初心者には、こちらのページから読むのが良いだろう。書籍も、例えばこちらなどが評判が良さそうだし、他にも初心者向けから上級者向けまで相当に出揃っている。
基礎からのiOS SDK

色々調べて感じたのは、「Appleが、アプリ開発者を物凄く大事にしている」と言うことだ。iPhone/iPadアプリの開発には、まずMacintoshパソコンが必須なのだが、それを入手して必要な登録さえ行えば、開発ツール類の入手や必要な技術情報の入手はほとんど無料で出来るし、作ったアプリを販売するための手助けさえもしてくれるのだ。
iPhone SDK
話を業務アプリでの利用に戻すと、こちらこちらの記事で、実際にiPadアプリネイティブアプリを開発して、特定業務用途で運用している事例を紹介してくれている。特に前者の三菱重工業の事例で紹介されたアプリは、ネイティブアプリによるiPadの利用がまさにぴったりのケースだと思える。工場の生産ラインで使われるだけに極めてシンプル(単純)なインタフェースのアプリだと言うことが写真から分かるが、これくらいならネイティブアプリの開発にもそれほどのコストはかからないだろう。また、工場の生産現場では、汎用パソコンによるキーボード操作よりも、タッチパネル操作のほうが適していることも容易に想像できる。


・・・と、ひととおりiPadのネイティブアプリケーション開発の良さげな特徴を述べたうえで、次回のエントリでは、その課題と解決方法について述べたいと思う。<続く>