注:このエントリを実際に執筆しているのは、2012年が明けてからのこと。ただし文章の構想を練っていたのは2011年末であり、時系列をすっきりさせるために、エントリの日付を2011年末とさせていただいた。2011年末日付のエントリは、この後にも続ける予定。 


激動の2011年もあと僅か。あくまで個人的なレベルではあるが、この1年間にわたって考え続けていたことを、今のうちにまとめておきたい。複数のトピックを複数日にわたって書いていくつもりだ。

今日の第1回目のエントリは、2011年1月にシトリックスの社内イベントで見せられて以来、常に私の頭の中で繰り返し繰り返し脳内再生されてきた動画について。

その動画は、インターネットで一般に公開されており、英語での説明ではあるが日本語字幕もつけられている。18分程度の長さなので、その時間が取れるのならば、是非全編見てほしい。


Simon Sinek: How great leaders inspire action 

動画の内容を要約すると、下記になる。

例えばAppleのように、常に革新的なことをやり続ける企業の秘密はどこにあるのか?サイモン・シネックは、「Golden Circle」と名づけた、下記の図にこそ秘密があると説く。 
Golden Circle from
「なにを(What)」と「どうやって(How)」と「なぜ(Why)」で作られるこの図。どんな企業も、自分たちが「何を(What)」やっているかは分かっている。その中の一部の企業は、うまい「やり方(How)」も十分に分かっている。ところが、自分たちが「なぜ(Why)」それをやっているか十分に分かっていて、その意識が社員にも顧客にも共有されている企業は、意外なほど少ない。えてして「なにを(What)」のほうが具体的で分かりやすく、「なぜ(Why)」は抽象的で分かりにくくなってしまうからだ。

ここで注意しなくてはいけないのは、「お金を稼ぐ」ことは「なぜ(Why)」の答えにはならない。「お金を稼ぐ」ことは「結果」であるし、(他の企業ではなく)当のその企業が存在することの理由にはならない。

上記Golden Circleの図で言うなら、外側から内側に矢印が向くのが、一般的な企業の傾向だ。まず、製品(やサービス)を作り、その機能・性能上の特徴(How)を定義づける。なぜ(Why)それを作っているかの説明は、明快でない場合のほうが多い。

ところがごく一部の企業では、Golden Circleの中心から外側に向かって矢印が伸びる。

携帯音楽プレーヤーを例にあげると分かりやすい。AppleのiPod以前にも、携帯音楽プレーヤは、Sony、Panasonic、Dellと言ったそうそうたる企業が参入していた。しかしどれもこれと言った成功は得られなかった。AppleのiPodだけが、他とは比較にならないほどの成功を得られたのだ。いったいそれはなぜか? Appleには「音楽の聴き方を根本から変える。」「人々の生活スタイルを変える」「音楽ビジネスのあり方を変える。」と言う、明快な「なぜ(Why)」があったからに他ならない。

その他、ライト兄弟が、人材や資金の面で遥かに上回るライバルたちを差し置いて世界初の有人動力飛行に成功した事例や、マーチン・ルーサー・キングが当時のその他の市民活動家よりも圧倒的な支持を得た事例も、この「なぜ(Why)」を中心としたGolden Circleで説明できる。 

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2011年の1月にこの動画を見せられて以来、「一年間『Star with Why』と一緒に居た」と言っても良いくらい何度も何度もこの言葉を反芻してきた。

シトリックスの「Why」は何か?

「企業情報システムのあり方を変える。」ことだ(と少なくとも私は考えている)。

ただし、「Why」の次に続くはずのシトリックスの「How」や「What」は、残念ながらAppleのそれ(美しい意匠に誰にでも判りやすい直感的な操作)ほどは単純ではない。実に多種多様な「How」と「What」がある一方で、それらは結構複雑でわかりにくい。しかしながら、そこにこそ私(山田)が存在する「Why」があると思っている。

では山田晃嗣の「Why」は何か?

「一見判り難いシトリックスの『How』と『What』を、誰よりも判り易く説明すること」に私の存在理由があると考えている。そしてそれは、「Do what you love」と言う、私が2011年に反芻したもうひとつのキーワードとも一致している。「Do what you love」に関しては、また別の機会に。